もうすぐハリハリ鍋 02/01/21

 封除室は、暮にできあがりました。キッチンの窓や勝手口を覆うガラス張りの部屋で、主目的は省エネですが、寒さに弱い鉢植え植物のために温室のように使っています。実は、それがまた省エネ効果を高めます。しかも、台所の窓から冬も青々とした植物が眺められますから妻も御機嫌です。「よかった」、と思っていた矢先に問題が生じました。ガラス が1枚破られました。四つ足動物が激しくぶつかったようで、ガラスの破片が封除室の奥の方にまで飛び散っていました。これまでにも母屋や渡り廊下のガラス窓をコジュケイなど鳥に割られたことがありますが、位置が異なっています。その低い位置や破られ方から見て四つ足動物だと推測しました。夜分に割られたわけではありませんから狸やウリボウズ(猪の子ども)ではないはずです。犬だろうか、まさか、と話し合いながら、翌朝明るくなってから調べよう、ということで眠りました。

 翌日は日帰り出張で、私は家を暗いうちに出て夕刻に帰りました。その時に出迎えた妻の第一声が「ハトさんでした」でした。庭をヤマバトが住処にしているのですが、その飛ぶ道「一種の獣道」だったようです。一羽のヤマバトが鉢植えの植物の陰でしゃがみこんでいたと言うのです。たぶん夕刻に飛び込み、一晩身を潜めていたのでしょう。いつも通りに飛んでいて激突したとすれば、さぞかしビックリしたことでしょう。当方も大損害でしたが、早速ガラスを入れる手配をするとともに何か目印でも張って再発を防止しなければ、と話しあいました。というのも、昨年の暮、久しぶりで妻と二人で畑のそばにある温室のガラス拭きをしたのですが、ガラスが綺麗になり過ぎて私は頭をぶつけかけています。だから目印の必要性を感じていたのです。

 暮れの庭掃除の時につくった灰は、濡らさずに済ませられましたので篩(ふるい)でこして庭のキウイフルーツや柑橘類の根周りに撒きました。もちろんハニンニクとかネギなど灰を沢山やれば喜ぶ野菜にもやりました。40年来同じ畑を使っていますから、地力の維持には神経を払っています。その一つが灰やりです。その灰作りをする時の焚き付けに使う紙にも神経を払っています。コーティングした紙やカラー印刷した紙は避け、茶色い封筒でも窓付きなら窓の部分を取り除きます。もちろんガムテープや宅急便の宛て名書きのカーボン紙などもきれいに剥がしています。

 この冬は、白菜は不作でした。種をまくのが少し遅れたし、若葉のときに小さなカタツムリの被害にあったのが痛手でした。でもミズナやミブナは好成績です。このまま雪に圧しつぶされなければ、姿もよい京野菜を幾人かの友にも送れそうです。わが家では鯨肉の代わりにお揚げか豚肉を使ってハリハリ鍋にして楽しみます。醤油と砂糖と酒だけの味付けですが、菜がまだパリパリいうぐらいにあげて食べると美味しい。

 私は今、少し焦っています。柿の木や柑橘類の剪定をしたいところですが、まだできていないのです。暮れの内に済ませたアンズの剪定のあと、封除室の周りの椿の剪定ぐらいしかできていません。槇の木の剪定も今年はしたい。キウイフルーツも、できることならしだれ桜も、と気がきでないのですが、時間に追われているのです。妻と合作のエッセー『庭宇宙』はこれまで書き溜めた原稿の編集ですから見通しが立ちました。だが、問題はもう一冊の方です。

環境問題との付き合い方、つまり環境の世紀を楽しく生きる提案の方が、さまざまな用件で手をとられ、思ったように進んでいないのです。なんとか3月には出版したいのですが。


風除室の入り口のガラスが破られました。その位置から考えて四つ足動物がぶつかったと思ったのですが、犯人は庭に住み着いている山鳩でした。

ガラスを入れ替えた二日後の昼食時にバーン!と音がしました。又かと思って飛び出してみると、案の定小鳥が風除室のガラスにぶつかり脳震盪をおこして落ちていました。早速拾い上げて水を口に含ませてやりました。幸い首の骨は折っていなかったようです。


この小鳥はウソでしょうか?あるいは小イカルのメスでしょうか。こうして一人で放っておくと正気を取り戻して自然の下に帰ってゆきます。比較的小さな鳥だったのでガラスは破られずにすみました。新しい建物などを作るとそこを通り道にしていた動物に迷惑をかけます。気をつけていてもしばらくの間は脳震盪程度は起こさせてしまいます。早くなれてほしいものです。

灰を取って果樹や野菜にやりました。我が家では道具にはこだわりません。スコップの柄が折れればこうして大型のシャベルとして使います。このスコップの柄を折った時のことを思い出しながら使っています。フルイは、母が使っていたものです。
広縁の前のアンズの木。43年来剪定してきました。広縁の屋根はガラスで冬はアンズの木の葉が落ちて光を通し温室のようになります。夏はアンズの木の葉が茂って日陰を作らせます。そのように選定してきたわけです。これもかけがえのない木の一本です。
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