ワラビの煮つけ 02/03/31
わが家の庭では2カ所でワラビが出ます。3月13日に日当たりのよい方で収穫しました。その昔、私が植樹を始めたり家を建てたりする以前は、一面がワラビ畑のようなものでした。ほぼ正方形の3反の土地は、標高差が9メートルある傾斜地で、北西の角が一番高く、南東の角が低くなった日当たりのよい地形です。だから、うっかり手入れを怠るとススキやワラビがはびこってしまったのです。今日では、ススキは2株残し、ワラビは2カ所でとれるようにしています。といっても初収穫は20本で、小鉢のおかずが一品増えた程度です。お揚げと煮つけてもらいましたが、十分春を体感しました。
ほぼ庭の中央に白木蓮の木がありますが、そのあたりは傾斜地で日当たりもよく、土地が早く温まるのかいつもワラビが早く出ます。もう一方の日照時間が少ない所は例年2週間ほど遅れます。こちらは居宅と喫茶店などの建物との間にある小道の脇ですが、たくさんワラビが出ますので「ワラビ道」と呼んでいます。今年は29日に立派に出そろっていました。妻は東京での個展のために8日間も家を空けましたが、ワラビの初収穫を食べてから出かけ、帰ってきて一段落してから30日に収穫し、木灰の汁でアクを抜いています。 多分、明日の朝食のオカズに加えてくれることでしょう。
春は1週間も家を空けると庭はすっかり様子を変えているものですが、妻によれば今回は想像の範囲内にあったようです。今年は春が早く始まり、その始まりを体感してから出かけたからでしょう。もう一つの理由は、留守番を私が引き受けることができましたから、電話があるたびに木蓮が咲き始めたとか花桃の真紅の蕾がほころびたなどと庭の変化を伝えたからです。もちろん犬の世話も主に私がしました。
個展はとても楽しかったようです。大勢の知人にお会いしたり、食事に招いていただいたり、大勢の新たな方のお宅に人形を嫁がせていただけるようになったり、と変化にとんだ日々であったからです。ハリー・ポッターの翻訳者にも気に入っていただき、中近東の山岳部族をイメージした一体を書斎用に、もう一体の和服姿は著者へのプレゼント用にと求めていただきました。この間に、私は卒業式がありました。
庭ではワラビの他に、コゴミやゼンマイも出ます。ゼンマイは自然生えです。かつては小倉池の水の涵養地であった裏手の湿地にたくさんでたのですが、30年ほど前に宅地化する人が現れ、消えてしまったようです。今は、わが家の庭の一角に残る10株ほどで往時をしのんでいます。今年も太い芽が頭をもたげはじめましたが、来年以降はどうなるのか少し心配しています。その原因は私が作りました。ゼンマイの株は、台所の窓先にあるお隣との境界線の土手にあるのですが、その土手と台所との6〜7メートル程の間にアルミサッシとガラスで作った温室のような風除室を作ったのです。台所の窓や勝手口を冷たい北風から守るためですが、それがゼンマイにとって凶とでるのか吉とでるのかは2〜3年待たないと分かりません。コゴミの話は、いずれ触れたいと思います。
オドリコソウが咲き始めました。これまでの庭に咲くいずれの花とも趣の異なる色合いでしたから喜んでいます。この群生地は100メートルほど離れた所にあったのですが、宅地化で消えたわけです。来年は、この苗を持ってきてくださった嵯峨人形を作っている奥さんにも見ていただこうと思います。おかげさまで、これまでわが家にあったのはヒメオドリコソウであったことが分かりました。
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居間から見た春の景色です。母屋が見えます。ピンク色の花は華桃がほころびかけたところです。右側の太い木は43年前に苗を植えた杏の木で す。その左手前に実生の山椒の木があります。 棘のない木ですので妻は重宝しています。
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ワラビ道と呼んでいる一角です。左側に人形の展示室があります。写っている壁のように見える部分は居宅の土台です。毎年ワラビ道はワラビのジャングルになります。この写っているワラビは皆さんがごらんになる頃には私のお腹に入っています。 |
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一番早く頭を出したゼンマイです。収穫する場合はもう少し大きくしてからとります。このゼンマイの手前に風除室があります。それが吉とでるか凶とでるか気にしています。私は吉にかけています。もし凶なら移植をした体験がありませんから困ります。
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コゴミです。茶色い枯れた葉のように見えるのは昨年の胞子を出す葉です。数年前に苗を5株買って植えました。今は別の2カ所にも移植し30株ほどになっています。後2年もすれば100株ほどになりたくさん収穫できそうです。このようにゼンマイも増やせたらいいのにと思います。
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朝の散歩で見下ろした保津狭です。前日の雨で川は少し濁っていますが新緑は鮮やかです。小倉山にある亀山公園の展望台から見た光景です。桜、新緑、秋の紅葉と四季折々の趣きは見事です。 |
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