GWのある日    02/05/13
                                               
 休日の私は、だいたい行動が決まっています。いつも妻より先に目覚めてしまい、ソーッと起き出して庭の外気に触れます。そして再び寝室にもどり、少し妻にマッサージのサービスをします。背中と首筋、頭、そして腕と手。その後、布団をかぶせておくと妻は時には1時間ほど2度寝をします。これは、常日頃のお返しです。いつも私は眠る前にマッサージをしてもらいます。出勤の日は5時10分に起こされると、朝食の準備ができています。朝一番に庭で収穫した野菜を使った朝食です。

 休日の私は、朝食までの間に一仕事します。この日は、三角部屋でワープロに立ち向かい、雑誌の連載記事を仕上げました。妻は起き出すとまず虫抑えを運んでくれます。当日はプレーンなヨーグルトに、庭で採れたブラックベリーのジャムがのっていました。それを少しずつ口に運びながら文章をねりました。その間に、妻は手早く朝食の準備です。 調理方法は野菜の種類によって変わり、卵も姿を変えます。目玉焼き、だし巻き、納豆にネギと一緒に混ぜ込む、温泉卵など。そして味噌汁とご飯。

 朝食を済ませると8時半でした。その後はお天候次第です。当日は雨が降っていなかったので服装を改め、長靴をはいて庭に出ました。ネギの根植えを済ませてから予定の仕事に入りました。庭の中央部分にある100坪程の迂回路周辺の手入れです。小径の草抜き、周辺にはえている木の枝すかし、野草の陰に隠れて発芽した大切にしている植物の保護など。丁度今、一帯ではミヤコワスレやチョウジソウが盛りで、シランが花をのぞかせています。ブラックベリーは今年もたくさん蕾を着けました。ネギの根植えとは、前日に食べたネギの再生作業です。我が家では、抜いたネギは白い根の部分を2〜3センチほど残して使い、畑に植え戻して再生させることにしています。

 昼食はめん類と決まっています。当日は暖かかったので冷しうどんでした。前日は野菜がたっぷり入ったラーメン。前々日はきつねうどんでした。基本は、夏は素麺かざる蕎麦、冬は鍋焼きうどん、その間の季節は きつねうどんやきつねそばなど。寒暖の差が激しい時期はその日の具合で冷しうどんや山掛けそばになったりします。ラーメンや焼きそばはたまにしか出ません。まもなく素麺が基調の季節です。

 午後、金太はお客さん父子に散歩に連れていってもらいました。仕事がら動物の飼えない家庭や、動物の飼えないマンションもあるでしょう。だが子どもには動植物に馴染ませたい。こうした常連のお客さんに金太は、休みの日によく可愛がってもらいます。先週は保津川でボートに乗り、当日は標高千メートル程の愛宕山に登りました。

 その間、私は柑橘類コーナーの下草刈りです。秋に落ち葉を分厚く敷きましたが、今のところは好ましい結果に結びついています。問題は偏った虫を異常発生させはしないかということです。この問題がなければ、毎年新たな落ち葉を敷いてゆけば、下の落ち葉から順に堆肥となり、ミミズを増やし、肥えたフカフカの土にするでしょう。もちろんミミズが好物のモグラに悩まされる可能性は高いのですが。

 夕刻は日曜大工店まで妻と買い物に出かけました。夜は昨秋台所の北面を覆った風除室用の電気の傘を作りました。妻が新婚時代に作った古い骨を取り出してきたので補修し、妻が縫いなおし布の幌を被せました。こうしていつものように夜がふけ、自慢の沐浴剤を入れた風呂につかり、妻のマッサージを受けながら眠りました。
                                                   
訂正
 過日、「カヤネズミ」ではないか、と喜びましたが、間違いでした。その筋の専門家に問い合わせたところ、「アカネズミの子ども」ではないか、とのことです。1985年ごろまでは庭の茂みで、稲科植物の中に作った巣を見かけたのですが、近頃は見かけなくなりました。草で作った小さなボールのような丸い巣に小さな穴が開いています。我が家の近郊では、今も桂川の河川敷などでは生息しているようです。
                                 
           

ブルーベリーのジャムの代わりにイチジクのジャムが乗ったり、蜂蜜やメイプルシロップとグレープフルーツの組み合わせになったりします。果物の季節は、リンゴ、ブドウ、柿などの果物がでます。休日の楽しみの一つは、朝食前に虫抑えをしながら一仕事を済ませることです。

このGWの全般は、3種類の煮方をしたイカナゴの釘煮,,生ウニ,海草と納豆などを楽しみました。釘煮は、20年近く前に勤めていた会社で世話になった女子社員が送ってくれました。生ウニは、この季節になる九州の対馬から妻の友達に届けてもらいます。海草は大垣の友達が時々届けてくれます。カボチャの煮物は夕食の残りです。まだフキノトウの佃煮も残っています。

庭の一角で青いチョウジソウの花が盛りです。15年ほど前に苗を1本植えましたが、ここまで増えました。毎年この季節になると花をつけます。何百と落ちた種から1つか2つしか芽を出さないようで、竹を三角に立てて小さな芽を守るようにしています。

午後のおやつは「あくまき」でした。もち米が原料で、灰汁を使って作られる家庭文化の産物です。妻の人形がきっかけで家族付き合いするようになった九州の方から毎年送ってもらいます。わらびもちのようにきな粉で食べると風味があって美味しいものです。
ジャスミンが咲く頃です。渡り廊下と広縁の角にも植えています。杏の木が日陰をつくれない一角で、建物の壁を夏場の直射日光から守る役割を担っています。朝な夕なによい香りが寝室に漂ってきます。
デンマークに出張した時に、コペンハーゲンのレストランで見た電気の傘が印象深く、帰宅してから2つ手作りしました。針金で私が骨を作り、部屋の雰囲気に合わせて妻が柄を選び、カバーを作りました。その骨が2つとも残っていましたので、小さい方を生かしてカバーの柄を変えて再現しました。


                                                        

 

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