多彩な10日  02/06/24                                         
 
 それは、未花ちゃん夫妻を訪ねることから始まりました。わが子のように思ってる、とかつてご紹介した未花ちゃんですが、その夫婦が新たに開店したレストランを妻と一緒に訪ね、御馳走になったのです。ほとんどが初めて食べる料理で、とても美味しく、席が空くのを待つ客もあり、安心しました。実は、先月下旬、未花ちゃんが大きなお腹を見せにご主人の運転で我が家を訪ねてくれましたが、その時に約束していたのです。

 翌土曜日の朝は、学生や教員など人けのない学校で、3時間かけてある実践をしました。私が学長になってから学校では教室などの掃除を学生や教員にもしてもらうようになりました。だが私には未体験の部分があったのです。わが家でも、庭や温室、仕事部屋や風除室などの掃除は私もよくします。だが、室内は妻がしますから私には手つかずの部分があったのです。だからどれぐらいの汗をかき神経を使う仕事なのか知らないままに「やらせる」ようなことをしていたわけで、気になっていたのです。

 日曜日はアイトワ塾の人達と美術館巡りをしました。京都国立近代美術館に「カンディンスキー展」が、京都国立博物館に「祇園・八坂神社の名宝展」が、とよい出し物がかかっていたからです。その最中、八坂神社の名宝を見ながら塾生の一人に「君の家ではどんな食器を使って食事をしているの」と唐突な質問を投げかけました。なぜかその時、イギリスの友人を思い出したからです。その人は、ヴィクトリア朝にできた木造家並みの一角に住み、何代かに渡って買い揃えた家具や食器を使って生活していました。そして孫や曾孫もその生き方を引き継ぐものと信じていました。人生には、最も成熟する時期があるように、その友人は家系にも最も望ましき時期があるとでも言わんばかりで、その創出と保全に世代を超えて当たっていました。塾生は、「茶室は残ってますが、茶器などはこうしたところ」で見るはめになっていますと応えました。その塾生の家屋は文化財です。そこまで保全したわけですが、茶器などは手放さざるをえない時期もあったのでしょう。

 ドイツやポーランドなどは多くの街を爆撃で失いました。戦後、その多くが中世の街並みを再現しています。こうした努力が街並みや実生活の歴史に連続性や一貫性を保たせ、アイデンティティを感じさせます。こうした意識を欠き、ころころ変えていたら、成長過程や模索中とでもいえば聞こえはよいのですが、永遠に未完に終わってしまいそうです。その目で京都の家並みを見直すと、破壊と混乱の時期と見えました。我が国は、社会のシステムも私たちの意識もアイデンティティ確立のために見直す必要がありそうです。

 昨夜は、京都コンサートホールに夫婦で招待され、ブルックナーの交響曲などに耳を傾けました。暑い会場でした。さすがニューヨークフィル、男性奏者は中休みの後は上着を脱ぎ、アンコールの折は小錦のようなホルン奏者が四股を踏む真似をし、場を和ませました。本日は先程まで天竜寺の塔頭、三秀院で、母の三回忌でした。

この間に、「暮らしを変えて、未来に夢を」というキャッチフレーズの下に活動している大垣市環境市民会議という団体の2年目最初の幹部会がありました。「クオリティ・オブ・ライフの追求」というテーマの下に開催する大垣市の市民講座も始まりました。もちろん、こうした日々の合間をみて庭仕事にも精をだしました。葉ニンニクやラッキョウなどの後を耕し、カキチシャ、パセリ、モロヘイヤの苗を植えつけました。ゴーヤやツルムラサキの竹の支柱や、カボチャの竹の棚もつくりました。       

京都国立博物館のロダンの考える人の前で。展示会場では、ベニバナで染めた見事な絹ものに堪能しました。足利尊氏、織田信長、豊臣秀吉、伊達政宗などから京都に寄せられた直筆の書を見ていると、その性格や美意識などが直に伝わってくるような心境になりました。

畑が手狭になりましたので、カボチャは棚を作ってはびこらせています。昨年は東に向けて高くなる棚をつくりましたが、今年は逆に朝日を受けよい西に向かって高くした棚です。苗は妻の友人からいただいた2種で、その一種は京野菜の鹿ガ谷カボチャです。来年は北に向かって高くし、南の光をいっぱい受けられる棚にしてみるかな。

干してあるのは玉ネギ、葉ニンニク、ラッキョウ(奥)です。玉ネギは関東の友人が送ってくれたもので食用です。他の2種は秋口に植えつけるための種の苗です。ラッキョウはこの4倍ぐらい採れましたので、友人に分けたり、漬けたりしました。葉ニンニクはこの2倍ぐらい採れましたが、残りはをニンニクのようにして食べます。


↓今年もキヌガサタケがたくさん出ました。6月15日月曜日には10本も出ました。朝の6時頃にボールを突き破り、8時ごろに背丈を完成させて傘の下からレース状のスカートを覗かせ、9時頃に完成です。茶褐色の傘はねばねばして悪臭が強いのですが、レースの傘などは珍味とか。いずれ食べ方を知りたいものです。今年は30本ほど出ました。
庭では沙羅(サラ)の花が満開です。平家物語だったかで知られる沙羅双樹は、双子の沙羅の木だったのでしょう。夏椿とも呼ばれ初夏を彩ります。撮影した時点では8割方がすでに落花し、その落ちた花の方がむしろ風情をかもしだしていました。。

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