食バンキノコ  02/10/22 

 この1週間は、冬野菜の苗の植え付けや種まきなどの準備をほぼ終えて一息ついたり、小さな湯豆腐パーティーを庭で開いて昼間からほろ酔いかげんとなったり、初めて目にするキノコに出会って心を踊らせたりしました。

 冬野菜の準備はほぼ完了です。パセリはこれまでに見たことがないほどすでに大きく育っていますし、ブロッコリーも苗を例年より早く植えることができたのでもう小さな花芽をつけています。水菜、壬生菜、大根、日の菜、小松菜は順調に成長しています。過去2年は、特に水菜や壬生菜の成育に失敗していますので、今年は期待を込めています。他に、球根から育てる葉ニンニクとワケギはまずまずの状態ですが、苗を植え変えて育てるネギは苗が日陰の畝にありましたから少し弱々しそうで心配です。でも薬味としては楽しみです。水炊きやうどんの薬味には、細くて軟らかい京ネギが美味しいのです。ホウレンソウや人参は種を播いたばかりです。ラッキョウはこれから植えつけます。

 このたび初めて菜花の種を播きました。少し縮んだような葉の野菜ですが順調に育っています。八百屋で束ねて売っている花芽はこの菜花の花芽だと思いますが、2月頃に花芽を出すそうです。もしそうなら、わが家では2月頃の菜花の花芽から始まって4月頃の大根の花芽まで3カ月近くも様々な花芽を楽しめそうです。なぜか私は花芽が好物ですので今からワクワクしています。花芽は摘んだあとは時間と共に味が落ちるのが分かります。だから自家菜園で育て、採りたてを調理する値打ちをあるのです。

 1年ほど前のある日、ある大学の学長に案内された料亭で、私は初めて玉神木を見ました。その学長にこの度ご夫妻でアイトワの庭を訪ねていただきました。循環する庭に関心を示していただいたわけです。そんなわけで庭で小さな湯豆腐パーティーを開きました。好天で日中は少し汗ばみましたが、木漏れ日の下でのパーティーとなりました。2年前に上部3分の2を切り取ったクヌギが期待通りに枝を張ってくれたお陰です。学長に「私は下戸なのに、今日は飲めた」と言ってもらいました。実は、パーティー場のそばに玉神木の苗木が育っています。友人から贈ってもらって苗木ですが、すでに蕾のようなものを着けています。この秋にあの香りを庭でかげるのかもしれません。

 これからしばらくの間は、さまざまなキノコが出ます。椎茸は年2回、春と秋に出ますが、他のキノコは春と秋で出る種類が異なっているように思います。毎年、決まったところで決まったように出るキノコもありますが、後にも先にも一度だけ、といったキノコがお目見えすることがあります。このたび初めて目にしたキノコは食パンを連想するような形と色合いでした。でも、香りはまったく異なっていました。

 わが家の菜園ではツルムラサキやモロヘイヤは終わり、夏野菜はトウガラシを残すのみです。だから食卓は、採り置いてあるカボチャやサツマイモ、漬け込んであるラッキョウや生姜、友人の菜園から送られてきたジャガイモやタマネギ、収穫期に入ったパセリや小松菜、そして冬野菜の間引き菜などでやりくりしています。間もなく初めて作ったヤムイモが採れそうですが、少し収穫を遅らせようと思います。久しぶりで順調に育っている冬野菜と一緒に収穫し、幾人かの友だちに送りたいと思っているからです。でも、冬野菜は霜に打たれないと柔らかくならないし、本当の味は期待できません。でも霜が降ってからでは南方原産のヤムイモは手遅れになるかもしれません。
                                                                                                                              


妻は白菜の苗をポットで育て、畝に本植えしました。一本も枯れずに育っていますが、半月は遅れましたし、日照時間が少ない畑ですから、今年も結玉しないことでしょう。だから、妻にまた「緑菜」と呼ばれるのでしょうが、それでも冬の鍋物には欠かせません。問題は、3株も4株も採っても結玉した一株分に満たないことです。


ツルムラサキの畝にゴボウが自然生えしていましたので掘り出しました。耕して白菜の苗を植えつける上で邪魔になったからです。ほんの30センチほど土を掘ると、下から昔の赤土が出てきました。戦時中に母が開墾を始めたころの土の色です。サツマイモはこの痩せた赤土の方が沢山とれました。今は堆肥を入れて土壌改良し、黒土です。

庭でこじんまりとした湯豆腐パーティーを開きました。昼間の湯豆腐もいいものです。焼いたアゲも好評でした。庭でトウガラシを採って焼きましたが、それも好評でした。炭火で焼くだけですが、緑豊かな木漏れ日の下では何もかもを美味しく感じてもらえるのかもしれません。

庭でのパーティーの小道具の一部です。レンガを積んだだけの炉は、レンガを自由に取り外せますから炭火の様子を見ながら火力を調整しやすいのです。もちろん後の掃除も簡単です。鍋を置いて保温するころにスズムシソウが自然に生えましたので、生き残れるように配慮しました。石臼は、水と氷を入れてビールを冷やすのに使います。



食パンのようなキノコが竹藪で出ていました。妻は初めて見るキノコだといいながらキノコの辞典を開いていましたが「載っていない」とのことでした。たぶん
食べられないキノコでしょう。この写真を撮ったあと、元の場所で胞子を落とさせるために戻しました。次はいつごろお目にかかれるのでしょうか。

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