大忙しの土いじり 03/04/14
せっかくの春休みでしたが風邪と雨にたたられ、庭仕事は捗りませんでした。久し振りにまとまった休みがとれることになり、懸案の庭仕事をすべて作業予定に入れながら多くの来客予定まで組み入れ、その上に予期せぬ辛い出来事や急な来訪者や取材などがあったからです。しかも大事な日に雨が降り、晴れた日は体が思うように動かず、思うようには行かなかったのです。しかし悔いはありません。学長を続けていたらこうは行かなかったと思います。振り返れば、学長になった春に母を失っていますが、学校関係者には弔電さえ辞退しています。当時の学校が抱えていた難問がそれどころではない気分にさせたからです。その点、このたびの春は全学科で入学定員がオーバーしたこともあって、肩の荷をすっかり下ろした気分で私事に心置きなく対応することができました。
もちろん庭仕事も、タイミングを失ってはならない作業、たとえばエンドウ豆の支柱作りとかキュウリやインゲンマメなどの夏野菜の種まきなど、あるいはこれまでは滞りがちだった作業、たとえば鉢植え植物の土を替える作業などはきちんとこなしました。温室や風除室で冬越しをしたエンジェルストランペットやノボタン、ランタナやブライダルベールなどの鉢植え植物の土を、納得できるやり方で替えることができました。ベンジャミンゴムやシュロチクなど10鉢ほどには手が回りませんでしたが、これらはもう1年だけ液肥や置き肥で辛抱してもらいます。
わが家の庭仕事のやり方には幾つかの自慢がありますが、その一つは土の扱い方です。鉢植えに使った古い土まで捨てずに循環させていることです。古い土を再生して繰り返し使うのです。古い土を温室の土間で半ば乾燥させ、篩を使って粗い土、細かい土、軽量材、そして有機物の4種にふるい分け、再使用するのです。軽量材とは、鉢を軽くしながら排水もよくするために鉢に入れる粗く砕いた発泡スチロールのことです。有機物とは、植物の古い根や土に混ぜていた水苔とか腐葉土の分解していないものです。
まず発泡スチロールを手でより分けたあとで土を篩にかけます。細かい土をふるい落としながら時々手をとめ、有機物を手で取り出します。篩に残った粗い土と通った細かい土は別々の容器に保管し、再利用します。粗い土は水はけを良くするために鉢の底の方に入れて使います。有機物は堆肥の山に積み、腐らせてから使います。もちろん差し芽に使った土も循環させます。差し芽には肥料分や細菌などを含まない鹿沼土や赤玉土を用いますが、篩を使って粗い土、細かい土、土の中に残った毛根の3つにふるい分け、土は再利用し、毛根は堆肥の山で腐らせて肥料にします。この差し芽に使う土は、2〜3年もすると枯れ葉などが混じって汚れますが、その時は鉢植え用の土に混ぜ込んで使います。こうした土の整理もこの春は気が済むまで時間をかけることができました。
そんなわけで幾つかの大仕事が中途半端になりしました。櫟の頭をとる作業は予定していた3本の内の1本は残りました。野小屋に電気を通す作業や、オアシスのオーバーフローした水の排水管を取り替える作業も手付かづです。特に櫟の頭をとる作業は、新芽をすでに膨らませていますし今月の下旬までには玉切りしておかなければならない事情がありますから早く済ませたいと思います。薪割りの体験をしてもらいたい方々をお迎えする予 定があるのです。常日頃は責任の重い重要な業務に追われ、木や草に触れる機会を見失いがちな方々ですから、様々な角度から木と触れ合ってもらおうと思っています。
|