天国のようなGW 03/05/05
私の長いGWは晴天で始まりました。風邪を引いていた春休みは体が思うように動かず、庭仕事はとどこおりがちでしたが、その分を取り戻してあまりが出そうです。夏野菜の準備はほぼ完了しました。キンレンカ、マリーゴールド、サルビア、ルコウソウなどの種は妻が、ムラサキグサと藍の種は私がまきました。オアシスのオーバーフローした水の排水管の補修工事や鬼門の樫の木の頭取りは済みました。野小屋まで電気を引く工事は、この20年来お世話になっている工務店の社長さんにもらった中古の特殊電線とブレーカーを使っています。30メートルほど電線を埋設する工事ですが、あと一日で終わりそうです。残る大仕事は、櫟林の中で開く野外パーティー会場の地ならし工事です。その工事に用いる切り石はすでにホビーショップで買い求めてあります。
夏野菜は、キュウリ、カボチャ、トウガラシ、トマト、ヤーコン、インゲンマメ、サツマイモの苗を植え付けました。ゴーヤとモロヘイヤの種はすでにポットにまきました。ツルムラサキは直播きします。トウモロコシの苗をポットで育てたり、コイモやヤムイモを植え付けたりする作業が残っている程度です。冬野菜とのつなぎにまいたホウレンソウの収穫が始まりましたし、コマツナの種はみごとに芽を出しました。今はホウレンソウの他は冬野菜の最後の花芽とニンジンを畑で収穫し、あとは自生のミツバや野草を楽しんでいます。タンポポの根のキンピラは少し苦みがあってゴボウより美味です。ヤブガラシの白和えは苦みと舌にピリッとくる刺激が魅力的です。ミツバは一番香りがあって美味し頃合いです。逆に、ハコベの癖がなくて軟らかい時です。間もなくエジプトエンドウの収穫が始まります。北海道の友人が毛ガニを送ってくれましたので2日続けてホウレンソウと一緒に堪能し、「当分カニはイイヤ」と贅沢なことを言っています。
今収穫中のニンジンは失敗でした。すでに薹(とう)がたち始めています。トマトは今年も雨除けの屋根の下で育てますが、風通しよく大きく育てるために植える数を半分以下にしました。サツマイモは「鳴門金時」の苗がありましたので早速買い求めて植えました。母は鳴門の出身で、好物でした。鳴門のように美味しく育つかどうか興味津々です。鳴門金時は、京都の壬生菜や水菜のように品種改良していなければよいのですが。
12日間もとれたGWは、うまい具合に雨や雑誌の取材などが間に入り、庭仕事でなまった体を直せました。「庭を森にした人」という見出しの取材は1日がかりで、過日完成した特殊階段で一輪車を押し上げる私の姿や妻がスモモの幹に腰掛けて30年余り前に撮った写真と対比する姿などが撮影されました。8ペイジもの記事になるそうです。
個展が近づいた妻のために風呂焚きは私が担当しています。風呂を焚きながら楽しみにとってあった本に読みふけっています。今道友信の『ダンテ「神曲」講義』ですが、天国とは何もしなくても済むところではなく、楽しい仕事がいっぱいあって好きなようにできるところだとあります。もしそうなら、私はこの庭に天国を求めていたのでしょう。アダム・スミスは豊かさとは収入が多いことだと語り、その1世紀後にスチュアート・ミルは消費が多いことだと語りましたが、本当の豊かさとは収入や消費、あるいは肩書や虚栄などへの執着から解放されることではないでしょうか。友人が居間にセットしてくれたパソコンのおかげで風呂の焚き口まで音楽が流れてきます。『魔弾の射手』を繰り返し聞きながら、樫の頭取りで出た柴を風呂釜に継ぎ足しています。
西洋シャクナゲが咲き始めました。母屋の南面、亡き母の居間の縁先に植えてありますが、木陰で、水はけを良くしたのがよかったのでしょうか。50センチほど土を掘って石ころを放り込んで植えました。母屋では北面の玄関先にある鉢植えのシャクナゲが終わる頃に、何時もこの西洋シャクナゲが咲き始めます。
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ムサシアブミ(右側)のそばで球根から育てた大きなユキモチソウ(葉に模様がある)の花が咲きました。野草にとても詳しい友人に、一週間ほど前に咲いた自生のユキモチソウを見てもらったところ、「なんとまあ」と驚いていました。京都で自生した話など聞いたことがないとのことでした。
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庭ではイチリンソウがほぼ復活しました。かつては相当広がっていたのですが、生えていた位置がオアシス(水槽)の溢れ出た水が流れるところにあったために、大雨が続いた年に根を腐らせてしまったようです。その時にオーバーフロー用の排水管を備えましたが、その排水管に木の根が入って詰まりましたので、管を取り替えたわけです。
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草抜き作業を兼ねながら沐浴剤にする草の収穫が始まりました。スギナ、ヨモギ、ジュウヤク(ドクダミ)、ミントなどから始まります。最後に収穫するレモングラスは、やっと新芽が出始めたところです。今年は鉢の土を替えるだけでなく、一株を畑の畝に下ろしてみました。肥料が十分だと1年に幾度も収穫できるそうです。
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昨年から始めたカボチャの棚作りの準備も終わりました。その畝の手前はヤーコン、左側の畝にはキュウリ(これも日除けのカバーをかけています)とその畝の奥にインゲンマメの苗を植えています。カボチャは、肌の色が濃緑色と橙色の2種のクリカボチャの苗を植えました。前者は九州の友からもらったカボチャの種です。鹿ガ谷カボチャはやっと芽が出たところです。
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