桜の手入れと大賀蓮  03/07/21

 アイトワの夏休みが終わる20日までに終えたいと思いながら、予定日が次々と雨で順延になっていた桜の手入れだけでなく、薪の積み替えもできました。翌日は晴、と分かった月曜日から段取りを考え、手ぐすねを引いて翌朝を待ちました。もちろん桜の手入れが出来れば上々と考えていたのですが、1日で両方を片づけることができました。

 月曜日は、雨が降らなかったのですが庭には出られませんでした。あるパーティーに招かれたのを幸いに、一度見てみたかった個展に立ち寄ることにして夫婦で出掛けたからです。個展では定年退職後に一から始めた職人技に感心し、パーティーでも素人芸に感動しました。パーティーはある人を「京都人にしよう会」という名称でしたが、このある人に幾度かわが家に立ち寄っていただいていたことがあり、集いの端くれに加えていただいた訳です。挨拶をした人によれは京都の主だった方々があらかた参集されたというパーティーの余興で、素人が三味線の腕を披露されたのです。その人にも幾度かアイトワの庭で過ごしいただいていますが、すっかりファンになりました。

 今年の梅雨も異常でした。まだ明けたわけではありませんが、久し振りにシトシトと降り続く雨に「梅雨らしくていいな」と思っていましたが、期待は裏切られました。スコールのような雨が混じるようになったからです。しかもスコールと違って長時間に及び、幾年か前の北朝鮮の大洪水を連想したぐらいです。昨年までの梅雨は、大地にとっては空梅雨でした。時々スコールのような雨が降る梅雨で、その積算雨量は平年並みでも、大地には空梅雨と同じでした。乾いた土にスコールでは、表土だけ濡らし、その濡れた表土を次々と流し去るだけで、その下の土壌にまで水はなかなか滲み込まないのです。その点では今年の梅雨も異常でしたが大地はタップリと水分を吸収したようです。だから、そのおかげ、といえることもありました。移植する時期が少し遅かったために元気がなかった枝垂れ桜があるのですが、生きながらえさせたようです。親しい人に頼まれて植えた記念樹ですが、大きな葉を芽吹き始めています。でも安心はできません。こうした時に油断がでるものです。毛虫に襲われた木に気付けなかったり、温室や風除室などの水やりをうっかり忘れたりして泣かされるものです。

 それにしても、桜の手入れは上手く行きました。3本のロープと長い梯子や背の高い脚立を駆使しましたが、被害を出さずに終えられました。太い幹を4回に切り分けて取り、私が玉切りをすると、そのしりから妻がマサカリを取り出してきて割っていました。その薪の保管場所を相談するうちに、いっそのこと薪の積み替えもしようということになりました。まだ4時だから「2時間もあれば十分」とたかをくくって始めましたが、居間に入ると8時になっていました。朝から11時間ほど働きづめだったわけです。

 金曜日は期待通りに大賀蓮が咲きました。7時ごろから2人で撮影の準備を始め、8時半に撮影隊を迎え、機材を組み立てたりしている内に、曇天のせいで少しすぼみました。でも妻の気に入ったように撮れたようです。もう1カット、室内撮影の方も無事にすみました。蓮の方は来年の7月号の雑誌で、後者はこの12月号で使う予定です。

 近頃、庭のキジバトが餌づけをしたようなことになりました。雨続きで気の毒に思い、干してあった去年のトウモロコシをやり始めたせいです。妻は手から餌をついばませながら、私には「あまり甘やかせてはだめよ」といっています。


枯れた幹を切り取った桜です。ロープの使い方には知恵を絞りました。ドスンと落としたのでは大変です。下には草花や苗木なども生えていますし、金魚などを入れている大きな水槽もあります。いったんロープで中吊りにしたうえで、小切りにして静かに引き下ろしました。もちろん残した幹にあったウロの補修もしました。

切り取った幹です。太い部分は直径25センチもありました。ロープの結わえ方が不味かったのか、一度だけドスンと落としましたが、運良く砂利引きのところで、被害はありませんでした。この失敗は、後学のために生かします。薪割りは妻が物凄い勢いで一人で担当していました。「ストレスが溜まっていたの」とのことでした。 

薪の積み替えです。新しい薪を下に、古い薪を上に置き換えます。薪には昆虫(カミキリムシ)の幼虫(テッポウムシ)がよく寄生し、食い荒らしますから、バケツに数杯分もの木屑がでました。この木屑も風呂焚きに使い、残った粉のような屑は畑にまきます。虫がわく薪は燃やしても安心です。この薪置き場は、冬場はヤモリの越冬場になります。

オオガハスが撮影予定日の朝に咲き始めました。当日一番開いた状態です。この日から4日ほど、朝5時頃から開き始め、夕刻までにはすぼみ、そして散ります。今、3つ目の蕾が上がってきています。円内は、大覚寺・嵯峨御流の機関紙『嵯峨』に用いる写真と同じ時に撮ったものです。

初物のイチジクです。昨年の暮れから小さな実を着けていましたが、それが熟れたものです。収穫できたのはたったの4個でしたが、1個が210グラムもある大物でしたから一瓶分のジャムができました。イチジクの木では今、この初夏に着けた次の実が育ちつつあります。

先週選定した沙羅(なつつばき)を座敷から見た光景です。白い木蓮の木の北側に生えていますが、背丈を2分の1に詰め、木蓮の下部で直射日光を避けて繁らせようと考えています。座敷の縁側から真正面に見える位置にありますから、寝椅子で読書でもしながら眺められることでしょう。
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