夏のパーティーと学生 03/09/09

 楽しい3人会となりました。飛び入りの学生が加わったこともあって賑わいました。もう一度わが家を訪ね、泊まりがけで庭仕事をしたいという学生がいたので、合流してもらいました。学生には前日の午後から来てもらい、庭掃除やパーティーの準備、あるいは後片付けなどを手伝ってもらうことにしたわけです。

 まず初日は3時過ぎから、ホウキやサラエ、ブロワーという風で落ち葉を吹き飛ばす電気器具を使った庭掃除です。5時前にオヤツをとった後は、炊事を手伝う人と風呂を沸かす人に分かれました。わが家流の風呂を、学生に貸し切りました。自家製の沐浴剤を布袋に詰めて湯船に放り込み、太陽温水器で沸いた天水を落とし、水を足して薪で沸かす湯ですが、翌日も使います。翌日は、残り湯に熱い天水を足した上で追い焚きをしますが、その頃に沐浴剤の成分が十分に染み出し、香り高くて柔らかい湯になります。夕食は、庭の野菜をふんだんに使ったお惣菜でしたが、カボチャの収穫は初めてという人がいました。妻はいつものごとく、大勢の娘ができたかのように振る舞っていました。

 翌朝も和食で、ホッケの一夜乾しに舌鼓を打った後、学生は鎌(カマ)を用いる庭掃除に、私は幾本かの竹を切り出す会場作りに当たりました。鍋をつるす櫓、火挟みや団扇を立てる筒、酒を燗する竹の徳利やお猪口などを作ります。学生が刈り取った草は、堆肥の山に積み上げましたが、台所から出る生ゴミを放り込みやすくする積み方を学んでもらいました。オヤツは林間に折り畳み椅子を持ち出してとりました。私流の生き方や、竹の花とかナナフシという昆虫を例に、自然界の不思議さなどを話しました。昼は庭のトマトやキュウリを用いたレーメンを食し、午後は5時まで自由時間にしました。

 わが家では種子や塩などの素材、鎌や壺などの道具、畑や温室などの場のためにはお金を惜しみませんが、出来合いの漬物やファーストフードなどのお世話にはならないようにしています。自慢の畑や仕事部屋で、自分たちのセンスや器用さを駆使して欲しいモノや喜びの時を創り出すのです。学生には、そんな考え方の下に30年とか40年という歳月が経過した結果の見学と、道具の生かし方などを体験してもらったわけです。

 5時半には3人会のメンバーも揃い、皆で乾杯をし、湯豆腐をつつき始めました。その頃になって急に雨がパラつき始めました。大わらわで全員で手分けをして屋内へ大移動です。夏のパーティーは夕立に悩まされます。この度は、それがかえって話題を豊富にしたようです。偶然オヤツの時に話題になったナナフシが見つかったりコノハチョウが捕まったりしたお蔭もあります。一つテーブルを囲み、11時近くまで話に花が咲きました。学生はその間に交代で席をはずし、お開きになった11時には風呂を焚きあげていました。翌朝はテラスでサンドイッチを食し、学生は帰って行きました。

 また新しい一週間が、週末の賑やかなパーティーの余韻を残して始まりました。トマトなど夏野菜のあとを耕して冬野菜の畝作りや、毛虫がわいたスモモの木の枝や葉を高枝切りで切り取っての退治などです。暑い日中と暗い夕食後は、雑誌などの原稿書きやその校正とか講演のレジメ作りや資料の整理に当て、風呂の後は妻とビールを飲みながらの歓談に当てるといったルーティン化した日々です。少し特別だったことは、先週の座談会での発言内容の添削です。幼児教育のあり方について語り合った内容が、4分の1ほどに絞められましたが、その校正です。流石はプロの記者、見事な抜粋でした。
                                                                                                     

                       


3人会の3人は久しぶりで顔を揃えましたが、その一人のご夫人が首を傷めて急に欠席でした。大事はないとのことでしたが、そのご夫人の都合を優先して決めた日程だっただけに悔しいことです。でも先はまだ長い。次回をお楽しみに。


妻が洗面所でコノハチョウを見つけました。この容器で受け止めるようにしながら羽を摘まもうとすると、容器の中に枯れ葉のように落ちたといいます。この蝶は、木の葉に似せた擬態だけでなく、フクロウのような擬態も持っていました。羽を広げると、内側の羽はオレンジ色なのでギョッとしましたが、鳥の目玉のような紋が付いていたので2度ビックリです。パーティーの参加者に初めて発見した蝶だと説明した上で放しますと、元気に飛び去りました。


ナナフシが、ハッピーの水飲み碗に落ちていました。スローモーな動きしか出来ないナナフシがどうしてそんな所に、と不思議です。ナナフシの雌は、雄に巡り会えないと、単独でクローンの子供を生みます。その自分とまったく同じ子も、雄に巡り会えないと同じこと繰り返します。幸いにして雄とめぐり合えば、遺伝子を交換し、進化の機会として生かすようです。

これは、先週の岐阜の合宿場で見つけた山菜「ミズナ」で、蛇が好む水際に生えますから「ウワバミソウ」とも呼びます。茎と葉の付け根に零余子(むかご)ができていますが、これは遺伝子を交換していないクローンですから、無花子という字を当てた方がよさそうに思います。この茎を湯掻いてタタキにしたり味噌汁の具に用いたりして食しました。竹もいわばクローン(筍)を増やしますが、60年に一度とかに花を咲かせ、遺伝子を交換します。

先週四国に訪ねた先輩の奥さんから荷物が届きました。妻が忘れたタオルハンカチを届けていただいたわけですが、手紙だけでなく、讃岐うどんや干し海老とか真鰯の目指しなど、好物がたくさん入っていました。ここには映っていませんが、友人から、お嬢さん手作りのジャムや茎わかめと納豆が入った荷物も届きました。朝な夕なに楽しめそうです。 
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