同窓会としっぺ返し   04/02/29


 この一週間は雨で始まりました。久しぶりの2日続きの雨でしたから、一帯の植物は大喜びしたことでしょう。雨をいいことに、私は仕事場にこもって大工仕事に手を着け、「帽子かけ」を作ったり「ランタン」の補修の手はずを整えたりしました。また、この週初めは、電話や手紙の多い2日間になりました。妻の個展の案内状がとどいたようで、大勢の関東の友から、「いつ来るんだ」とか「一日も来ないのですか」との問い合わせが重なったからです。

火曜日、水道工事にてこずっている私に、「シイタケが出る頃ですね」と妻が話しかけてきました。そういわれれば、1本だけ残っていた古いホダ木にシイタケが出ていたことを思い出し、新しいホダ木の様子を見に行きました。乾燥しすぎたのでしょうか、その兆候がありません。試しに2本のホダ木を水槽に運び、水に浸けてビックリ仰天です。太い方の1本が沈んでしまったのです。これまでにホダ木が沈んだためしなどありません。

水曜日からの2日間は、中学時代の同窓生27人と恩師を囲んで和歌山に出かけました。過半が50年ぶりの再会でした。紀三井寺では220余段の階段を登りました。和歌山城では徳川茂承の一行書「君子養其源」を見ましたが、「小泉さんにも読んでもらいたいわ」との声が上がっていました。憲法という「源」を健全に養う人、つまり君子になって欲しい、との願いでしょう。当時の通学区域地図を持参した人があり、自動車道を張り巡らせる計画があったことを知りました。現実は1本しか実現していません。海産物店では近海で捕った鯨の肉やコロを見かけました。

京都に帰り着いてしばらくすると急に冷え込みが始まり、夜になって雪になりました。和歌山城を散策している時に、半月程早い春の訪れを話題にしたのですが、嘘のようです。それにしても、すでに冬眠から覚めて活動し始めた蛙などは寒い思いをしたことでしょう。

近くの丹波でも、鳥インフルエンザが発生しました。世界のあちこちで何万羽、何十万羽、時には何百万羽もの鶏をまとめて処分していますが、そんなことでいいのでしょうか。かつて欧州ではペストなどが大流行していますが、生き残った人も多いのです。処分する鶏の中にも放っておけば生き残るのがいるはずです。その生き残りに子孫をつくらせるような仕組みに代えないと、いずれは大変なことになりそうです。そもそも、こうした騒ぎ自体が、生き物を工業製品のような扱い方をしてきたことへのしっぺ返しではないでしょうか。世間では慌てふためき、趣味で飼っている烏骨鶏を捨てたり学校で育てている鶏を子どもから隔離したりする人が現れています。逆に、10頭目のBSE牛が発見されましたが、マンネリ化したように見えます。

しばらく庭でキジ鳩を見かけなかったのですが、近頃はまたつがいで庭をうろうろしているのを見かけるようになりました。でも、昨年までのとは違うようです。去年までのつがいは、妻の手から餌をついばむまでになっていましたが、今のは、豆をまいてあげてもあわてて飛び去ってしまいます。わが家では例年、節分のいり豆を少し多めに買い込んでおき、季節を楽しむビールのおつまみにしているのですが、野鳩にもお裾分けすることにしています。鶏の小型のようなコジュケイは数羽が連れ立って庭をうろうろしていますが、馴染んでくれません。

この1週間は、出かけることが多い週になりました。週末は、大垣市の環境関係の仕事で出向いたり、ある企業がスポンサーになって定期開催しているワークショップに招かれてマーブルペイパーの技法を見学しり、京都の美術系大学が開いた卒業製作展の見学に誘われて造園家の卵の労作を見学したりしたからからです。そんなわけで、ランタンを補修する板を買ったり三段式ハシゴが届いたりしたのですが、未だ生かせていません。

小中学時代をともにしたというだけで、50年ぶりの再会なのに、どうしてかくも打ち解けてしまうのか、と不思議になりました。一緒に保津川で泳ぎ、溺れかけた時に助けてもらった友も参加していました。彼が育った借家があったところは、随分以前にパーキングになっていましたが、時々懐かしくなって訪れていたそうです。

白浜で泊まったホテルの窓から見たサファリパークです。こうしたランニングコストをかけて楽しむ不自然なお遊びは、早晩すべて消滅することでしょう。『次の生き方』では、「未来が微笑みかけてくるような生き方」を選択しましょう、と呼びかけていますが、こうした不自然なお遊びはその逆の生き方に誘われているように思います。
鯨の肉とコロを少し買い求め、鯨肉は少しずつ、お刺身、ハリハリ鍋、串カツにしてもらいました。その昔の鯨肉はずいぶん臭いのが普通でしたから、カツにしたり醤油で佃煮のように煮込んだりして食したものです。コロは、おでんの具に加えてもらおうと考えています。これが鯨の食べ治めになることでしょう。

 
完成した帽子かけです。頭が禿げてきましたので、特に冬は寒くて困りますし、夏は暑いし、雨が直撃もしますから、帽子の必要性が高まりました。急いで適当な帽子を取り出せるようにしたわけです。9・11で有名になったNYPD(ポリス・デパートメント)のキャップは、ロングアイランドに邸宅をもつ商社時代の知人が土産に持参してくれたものです。

マーブル・ペイパーの実演です。ロレアルのアート&サイエンス基金がスポンサーとなって催しているワークショップですが、知人が関わっていますので招待され、初めて参加しました。とても素敵な人が参集しているように見かけましたし、マーベリングはずいぶん歴史のある技法だということも学びました。

大学生の卒業研究作品展での一こまです。大見地区での実験に出かけていた頃に、教員に誘われて参加していた学生がいましたが、彼女は独自のプランを打ち出していました。私たち準備委員会のメンバーは、これから本格的に取り組まなければいけません。

水道工事はずいぶんてこずりました。結局、このような配管を考えて完成させました。手前に切り取った水道管がありますが、以前に補修した部分の水漏れを防ごうとして失敗を重ねたわけです。その補修のために購入した防水テープや接着剤などをすべて無駄でした。