民主化と未来は大丈夫  04/04/18

 白いアメリカザイフリボクや赤紫色のハナスオウが盛りのおだやかな日曜日でした。紅枝垂れ桜は満開でしたが、淡いピンク色一色に塗りつぶされる満開よりも、ピンクの濃淡が鮮やかな五分咲きの方があでやかでした。野スミレも盛りです。アイトワには白い野スミレが3種、淡い紫色のが2種、濃い紫色のが3種などと数えあげれば、10種を超える野スミレが自生しています。ここに色鮮やかな紫色のが、まだ鉢植えですが、いずれは自生するようになるでしょう。テンモクジオウも今が盛りです。かつて苗をお送りした2箇所から近況が届けられました。

 草取りをする日が続いています。ある部分では残す野草を、他の部分では取り去ろうとするのですからやっかいです。私は、ケンの小屋の周りではスズメノカタビラを残しましたが、「ダニを増やすようなもの」と言って妻は抜き去りました。でも、ダニ問題は、スズメノカタビラの退治では片付かないはずです。稲科でも犬が好んで食べる草は残すでしょうし、それまで取り去っても、ダニは次善の草を選ぶでしょう。要は、イノシシやタヌキにダニの卵を持ち込ませないことが肝心でしょうが、猿が持ち込まないとも限らず、その進入は防ぎようがありません。また、完全に防いだのでは新たな問題を生じさせかねないはずです。人間の身体も、数万年とか10万年来、ダニに噛まれたりウルシに負けたりしながら生きるようにプログラムされてきたはずですから、急に不自然なことをしたら反作用が心配です。花粉症はその一つではないでしょうか。

 妻が、「また『コボコボ』の邪魔をした」と話していました。コボコボとは、亡き父が砂浴びをする鶏を指差し、子どもの頃の私に教えた言葉です。朝食の野菜を採るために、妻は母屋の横を通って畑に向かいますが、常に土が乾わいている縁側の下で、コボコボの最中のコジュケイに出くわすそうです。つがいで行動する野バトはすぐに慣れ、餌をねだるまでになりますが、家族で行動するコジュケイはいっこうになつきません。

 話は変わりますが、イギリスのガーディアン紙によれば、最近ペンタゴンはブッシュに「気候変動が我々を滅ぼしそうだ」と報告したようです。20年以内に水や食料を争奪しあうような世界になり、暴動や核戦争が生じかねず、テロよりも深刻になる、というわけです。実は、こうした惨めな事態を未然に防ぐことも願い、『次の生き方』をしたためましたが、読後感が次々と寄せられるようになりました。かつて権威のある雑誌の編集長をしていた人は、「まだ間に合うことも、まだやり直せることも悟りました」と結んで下さっていました。

 庭で久方ぶりに雨蛙を見た、と妻はいいます。スイバとナズナが復活しそうです。雨蛙とスイバは庭だけでなく一帯から見かけなくなって久しいですし、ナズナはペンペングサと呼んでいた頃の私が目の敵にして庭から絶えさせていました。こうしたことを体験しながら、私たちが幸せに生きながら、野生生物も幸せになる道を願うようになりました。いにしえの人も、人の手が入らない自然より、はるかに豊かな生物相を育む里山を作り出していた、といいます。

 イラクでの人質が解放されてよかったと思います。こうしたことも心配で、「私が自衛隊員なら、『一人でも隊員が殺されたら自衛隊を撤収する』と宣言し、丸腰で行かせて欲しい」と以前に書いたように思います。この度は、「民間人を拉致するとはなにごとだ、2日以内に解放しなければ自衛隊を撤収する」と言い返して欲しかった。イラクの真の復興に寄与し、資源小国の日本が将来惨めな状態になったりすれば、まず日本に油だけでも届けてあげよう、としてもらいたいものです。それが豊かな間にすべきことではないでしょうか。5人の人質が、そうした姿勢や態度を評価されて解放された、といった現実であったことを願っています。


アメリカザイフリボクです。数輪の白い花が天に向かって咲く姿は、軍師が振る「采」のようです。やがて小指の先ぐらいの実をつけ、真っ赤に熟れて甘くなります。今年も、実は私が摘み、妻がジャムに炊くことでしょう。私は、庭仕事で空いたお腹に、パンの耳のトーストに、ジャムをたっぷりと塗って収めるのが好みです。

満開のハナスオウです。庭友だちにもらった苗がこんなに立派になりました。豆科植物ですから、花が着いたところに花の数だけ小さな豆のさやを着けます。でもまだ、そのさやの中で豆が育った様子はなく、種から増えたことはありません。根が伸びて新芽をふいた様子もありません。独力では、どうして増えるのか分かりません。

コジュケイの砂浴び(コボコボ)場です。鶏はよく羽虫をわかせましたが、コジュケイも悩まされているのでしょう。新しい砂を補充してあげました。近代的な養鶏場では、工業的に羽虫もわかない飼い方をしているようですが、それが大量死を心配せざるをえない鶏にしている恐れはないでしょうか。そうしたやり方は、いずれつじつまが合わなくなるでしょう。
ハッピーは石畳の上で住んでいますが、夏は石が焼けて暑いに違いありません。だがハッピーは、ケンや金太と違って、暑かろうが寒かろうが気にせずに、なぜか私たちの気配がするところが落ち着くようです。やがてスモモの葉が茂って木陰にしますが、それまでの間の補助手段としてパラソルをかざしてあげました。

ガーディアン紙は、工業国のやり方を改めないと、気候変動が「イギリスを20年以内にシベリアにする」との心配も伝えています。そんなことを心配しなくてもよい生き方に転換すべきです。アイトワの庭では、私たちが幸せになるに従って南北問題が解消に向かい、空気や水が自動的にきれいになり、必死の覚悟でテロをする人など生み出さない生き方を模索しています。

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各地でテンモクジオウにも咲き誇ってもらいたいと思っています。絵・ハガキの方は、これから芽分けを計画しておられるようですが、写真の方は幾株にも芽分けした一株だそうです。わが家も、知人にもらった一株から増やしました。テンモクジオウは種でも増えます。

また別のところでユキモチソウが咲きました。母屋の裏庭で、亡き父が毎日のように午睡をしながら眺めていたところです。この春、サツキやドウダンツツジを小さく切り詰めましたから、その陰で育っていたのが分かったのです。これで小鳥が3本のユキモチソウを庭で育てたことになります。それは極めて珍しいことのようだ、とかつてお伝えしました。