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B型社会よ、こんにちは 04/06/27
日曜日は好天で明けましたが、テレビでは大型の台風が近畿を直撃しそう、と報じていました。嵐の前の静けさか、と考えていると妻の声がしました。中庭に2羽のノバトが来ており、妻は渡り廊下から手をかざし、「ポッポ、ポッポ」と呼びかけていました。1週間ぶりで「ポッポが子連れで訪ねて」くれた、というのです。私には、連れは子どもかその親か見分けがつきません。急いでワークルームに走り、天井からぶら下げて保存しているトウモロコシをとってきて実をほぐし、まいてやりました。それでやっと私にも子どもが残っていたことを納得です。親の方なら、まいたトウモロコシに驚いて、逃げたり後ずさりしたりしていたはずです。
「ポッポは、奥さんを失って可哀想だね」と話しかけますと、妻は噴出しそうになって「私はポッポが奥さんだと思っているんですよ」と返してきました。私は餌をまいても驚く方が雌だと思ったのですが、妻は、手から餌をついばみ始めた方が雌だと見たわけです。それはともかく、どうして用心深かくて怖がりだった方が餌食にされたのか、それが不思議です。
月曜日は台風に明け暮れました。朝食前の雨が降っていない間に、雨戸を閉めたり温室や風除室を閉め切ったりするだけでなく、ぶつかり合ったら割れる水鉢の側の鉢植えを離したり、吹き上げられたら凶器になるテラスの金属のテーブルを逆さにしたりしました。結局、たいした風は吹かず、乾いた土地にとっては慈雨でした。その間、私は書斎を片付けたり、ある青年を迎えたりしました。妻は終日青森に出かける準備と母屋の掃除にあけくれていました。
火曜日は照り付けるような好天でした。まず風で倒れたトウモロコシを炎天下で立てましたが、立て終わる頃には私の方が暑さで倒れそうになっていました。だから木陰の仕事に移り、イノシシに破られたネットの補修とか鉢植え植物の手入れ、あるいは石工の真似事をして楽しみました。日が傾きかけた頃に妻と買い物に出ました。1週間も留守番をする私の兵糧の仕入れと、翌日のアイトワ塾に迎えるゲストにわが家で泊っていただく準備でした。
ゲストは大手術を克服し、未だ1ヶ月毎の生活をしている人ですが、時代の動きを捉える目が爽やかでした。深夜まで話に花が咲き、私ははらはらしましたが、それだけに木曜日の朝は思い出深いものとなりました。私が菜園に出て野菜の収穫から手をつけ、手料理でもてなし、喜んでいただけたのです。その後、庭を案内する半時間ほどを除き、昼過ぎまで歓談し、昼食の冷やしうどんを済ませてから最寄りの駅まで見送りました。取って返すとそそくさと犬や鉢植え植物の世話をして大阪に出かけました。創業百余年の老舗企業に頼まれごとがあったのです。夕食はホテルでご馳走になり、深夜に帰りつきましたが、雨になっていました。
週末は梅雨らしくなりました。雨の切れ目を縫って外に出て、犬の餌やりや散歩、あるいは温室の水やりをした他は、連日書斎や居間にこもり、未整理だった資料を相手にしました。庭仕事ができない天候のおかげか、自炊も楽しみました。わが家では、妻も私を台所には立たせません。母は風邪などで寝こむとピンチヒッターとして立たせましたが、妻は少々の風邪では立たせない人ですし、第一まだ起き上がれないような病気をしたことがないのです。
新聞で、森英恵さんがパリのオートクチュールから撤退することや、『プランB〜エコ・エコノミーを目指して』を著したレスター・ブラウンさんが講演したこと、あるいは案栄久庵憲司さんがデザイン・サミットで毎年6月21日を「デザインの休日」に決めたと紹介したことを知りました。いよいよ私たちは生き方を転換し、B型社会に踏み出さなければ行けないようです。妻は10名ちかい仲間と寝台車で出かけましたが、奥入瀬(おいらせ)峠も満喫したようです。
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木陰のテラスがほぼ完成です。履物を脱ぐ踏み石だけでなく母屋の座敷脇の犬走り(?)も整備しました。木陰のテラスから丸見えになりましたから、一本900円弱の石を9本買って、切ったり並べたりしたわけです。ブルーシートに代わるカーキ色のシートも発注済です。木陰は、モミジだけでなく庭で最高齢のジロウガキが作ってくれますが、熟し柿まで落とす覚悟をしておかなければなりません。
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風で倒れたトウモロコシを炎天下で立てました。花粉を振り撒く大切な時期でしたから、花粉を身体じゅうにあびました。歳のせいでしょうか、首に濡タオルを巻いて出ました。首筋に出た汗を放っておくとヒリヒリするだけでなく、あせもが出るようになったからです。その防御方法として思い付きました
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妻は青森に出かける前にゲストとの挨拶やパンチの準備をし、この女性に発泡飲料やワインなどを入れて振舞うように依頼していました。この女性は『次の生き方』が縁で、わが家を訪ねてもらう仲になりましたが、一杯のお茶で3時間も4時間も対話に熱中させてしまう人です。ゲストに引き合わせたくて招きましたが、食器洗いまで引きうけさせてしまいました。
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手作りの朝食です。ゲストは庭を眺めながら、「会社もいろいろ」などと言った首相を話題に出し、そうした陰でリストラに泣く人を生み出すのでしょうね、と嘆いておられました。自己責任能力が求められる時代だけに、働かずに給与をもらう人や巧妙に納税義務を逃れる人ではなく、愚直なまでに努力をする人が報われる社会システムにしなければいけない、と私も思っています。
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「これまでのデザインはゴミ」と、私は短大でのデザイン論で講じていました。1988年の処女作では、早晩パリのオートクチュールは虚飾の殿堂になり衰退する、と指摘しています。だからと言って、デザインは休んではおれません。デザインがつぶしたものは新しいデザインであがなわなければいけない。その新しいデザインを、私はグリーン・デザインと呼び、講じてきたわけです。
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短期の大学生が「覚醒しやすい術(すべ)」はないものか、と考えて「エコハウス」を作らせてもらいました。この小文では、A型社会の問題点に気づき、B型社会への移行を容易にする手段として、と述べています。B型社会に移行せずに、つまりこれまでの社会システムを護持するための環境対策では、『「想い」を売る会社』で述べたように「グリーンウォッシング」になり、問題を先送りし、かえって高くつかせかねません。
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カボチャが願い通りに棚を登っています。肥料の配合や量も合格であったようで、逞しい蔓を伸ばしています。だから逆に、大きなカボチャが温室のガラスの上で実を結び、重さでガラスを割ってしまわないか、と新たな心配をし始めています。
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