紅葉真っ盛り 04/11/29

 週の全般、23日の水曜日までは晴天が続いたこともあって、紅葉の名所として知られるわが家の一帯は大変な人出でした。なかにはアイトワの紅葉が一番だといって訪ねて下さる人もいますから妻は目が回るような忙しさであったと思います。とにかく、一年間にアイトワに立ち寄っていただける喫茶のお客さんの半数がこの一ヶ月の紅葉シーズンに集中します。23日一日の来店客数と、冬の一ヶ月のそれと同数だといっても過言ではありません。

 この間は私も多忙でした。かつて顧問をしていた会社の深刻な相談事で二度にわたって会議をもったり、商社に勤めていたときの友を東京から迎え、友の知人の新規事業展開について助言を求められたり、「京都グリーン購入ネットワーク」が立ち上がったのですがそのアドバイザーになったり、京都の友の案内で東京の女性記者に訪ねてもらったり、畑では勾配を逆にする土の移動を試みたり、ヤーコンとコイモを収穫したりと、てんてこ舞いでした。

 ブルドーザーだと超小型機でも2〜3分もあればで済ませそうな作業ですが、人力ですとわずか3mほどの畝の土を移動させるだけで3時間近くを要しました。トウガラシの跡を耕してレタスの苗を植えつけることにしたのですが、畝の土を取って低くし、取った土を低くいところに移動させる作業の手始めにもしたわけです。この土の移動に要した時間と運んだ土の量から計算すると、これから一年ほどの間に、一輪車で200杯分ぐらいの土を、延べ45時間ほどかけて移動させることになります。もちろん土を移動させた方の場所でも、土をならして畝を高くする作業が求められますから、そのために20時間ほどかかりそうです。

 この作業は、無法者が犯した環境破壊と豪雨が原因で必要になったのですから不愉快ですが、「災い転じて福となす」にしたいと考えています。土を移動させて畑全体を南東に向かってなだらかに低くする作業ですから、地相も良くなりますし、畑が太陽光線を受けやすくなると思ってまずは自分をなぐさめています。きっと他にも良いことが生じるに違いありません。

 女性記者との雑談で、熊の出没が話題になりました。私は、熊を害獣のように印象づける子どもへの教育に反対です。だから、「子どもに残飯を集めさせ、それを大人が熊の縄張りまで運んで見せてはどうか」と提案しました。彼女は「カラスでさえ怖いのに、熊に襲われたのではたまらない」と考えていました。「だから、街から残飯をなくし、今年のように山に餌が不足した年は山に運べば、街のカラスも減るし、熊も出てきません」と指摘しました。今日人間がこうむっている多くの災難は人災なんだ、と子どもたちにも気づかせる報道や教育が必要です。

 木曜日は曇天でしたがけっこうな人出で、商社に入社した頃に机を並べた女性が訪ねてくれたり、わが家にお招きしたことがある大垣の人に立ち寄ってもらったりする賑やかな一日となりました。畑仕事の合間合間に送られてきた新聞のコラムや雑誌のエッセーの校正刷りに手を入れたり、風呂を焚く枯れ枝を拾ったり、温室の水やりをしたりするなど、こまごました仕事がずいぶん捗りました。畑仕事は、コイモの跡を耕してエンドウマメの苗を植えつける作業をしたのですが、それは水曜日に動かした土をならして一段高い畝に仕立てる作業でもありました。

 金曜日は週間予報とは違って快晴でしたが、午前中だけ庭に出て、囲炉裏場の灰取りをしたり防風生垣の剪定をしたりしました。日々窒素肥料にする落ち葉を腐葉土場に積み上げる作業に追われていますが、小枝など積み上げない残滓はそのつど囲炉裏場で焚き、灰をカリ肥料として保存するようにしています。夕刻から日曜にかけて大垣です。友と一献傾けたり、環境フェスチバルに顔をだし、来賓の市長や議長に謝辞を述べたり仲間と親交を深めたりします。




ムサシアブミの種も色づく季節です。昨年種をつけたユキモチソウは、今年はお休みです。ともにサトイモ科ですから種はよく似ており、見分けがつかないほどです。小鳥の糞を通じて一帯にムサシアブミがひろがるかもしれません。

畝を低く仕立て直して、レタスの苗を植え終えた状態です。隣の畝には「花菜」が育っていますが、その畝の上半分、草が生えている部分の土を、花菜の収穫を終えたときに取り去って移動させます。その上で、畝を低く仕立て直します。
手作業で畝を低くしましたから、自然生えの「日の菜」を残して仕立て直すことができました。ブルドーザーではこうは行かないでしょう。スコップのあるところでも畝が一段低くなっていることがお分かりいただけると思います。畑に育つ自然生えの野菜でさえ犠牲にするのは辛いのに、国民をイラクで見殺しにした首相はさぞかし悔しかったことでしょう。それも、国民を守るためにある自衛隊が絡んでいたのですから皮肉です。
オーガニック紅茶のPOPが出来あがりました。従来の人工的にフレイバーをつけた紅茶も用意しているのですが、ほとんどのお客さんはこのオーガニック紅茶の方を選び、香りもよいと言ってくださるそうです。

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囲炉裏場で灰取りをしているところです。肥料として保存する灰は篩(ふるい)でこしてとります。そのかすは果樹園などに撒きます。囲炉裏の主目的はカリ肥料作りですが、ここがパーティーの場にもなるわけです。

コイモを植えていた跡に、動かした土を入れ、一段高い畝に仕立て直してエンドウマメの苗を植えつけました。エンドウマメはポットに種をまき、ハトについばまれないように温室で育てていました。

杉の生垣の剪定も始めました。まず高く伸びた徒長枝を切り取ります。右半分は切り終わった状態です。この生垣は庭の中央部にある果樹園部分の柑橘類を北風から守るためのものです。