年の瀬 04/12/26

 日曜日は、通常は土曜から日曜の二日にわたる仲間との行動を初日で切り上げ、日曜の夕刻に迎える友達の受け入れ準備に趣向を懲らすことにしました。ところが、千客万来のような一日になってしまい、留守にしなくてよかったと思いました。笹寿司にする若狭の小鯛を買ってきたといって届けてくれた友に始まり、夕刻は丹波の黒豆や千枚漬けを届けてもらった友でおわりましたが、その間に、年に一度か二度お迎えする草花の先生がひょっこり訪ねてくださったり、幾年も前に仲人をした人が久方ぶりに家族連れで年末の挨拶に来てもらったりしています。

 昼食は小鯛を届けてくれた友と食卓で、午後のお茶は子連れの夫婦や草花の先生と囲炉裏場の側で、夕食は泊りがけで招いた友達と木陰のテラスでといったぐあいに、それぞれ場を変えて楽しみました。もちろんその合間に、先週の剪定で出た梅やスモモの枝を燃やして灰にしたり百合根の植え付けをしたりしています。草花の先生は、いつものように持参した春咲きの球根を植え付けたり野生の風欄を梢に貼り付けたりしていました。今回の百合根の植え付けは、この先生の助言を得ていますから来年の秋の収穫が楽しみです。

 月曜日は金太の小屋がある周辺の掃除と六甲サクラソウの植えつけで終わりましたが、寸暇を惜しんで年賀状書きも始めました。六甲サクラソウの苗は、前日の草花の先生がチューリップの球根を植えつけるために「排水溝花壇」の一つから掘り出したものです。排水溝花壇とは予算の都合で誕生したもので、パーキングの土手崩れを防ぐためにコンクリート製の大きな排水溝を幾つか並べたものですが、この花壇としての見立ては成功で、立派に役目を果たしています。

 火曜日は温室の周辺の掃除に夕刻までかかりました。妻は喫茶を切り盛りしている仲間と反省会を開いていましたが、庭仕事の私にも大きなショートケーキと美味しい紅茶を運んでくれました。幸いなことに、ケーキの上に砂糖やチョコレートで作った飾りが3つ乗っていましたから愛犬にお裾分けです。大きいものから順に、ケン、ハッピー、金太にあげましたが、金太だけは一旦土の上に落としてから、鼻と舌でしっかり確かめながら食べていました。いずれわが家の愛犬に担わせている役割を産経新聞のエッセーで取り上げたく思いました。

 好天の水曜日は、まず鉢植えのサクラソウをカフェテラスに移動してデビューさせたあと、年末に向けての庭掃除にかかりました。温室の掃除も済ませましたが、途中で新たな鉢植えを幾つかつくっています。わが家の土の中には野草の種だけでなく花の種も混ざっており、季節が来ると勝手に芽生えます。だから、ハナタバコやネモフィラ、フユシラズやサクラソウなどは例年自然生えの苗で鉢植えに仕立てます。春になればホウキ草などが自然に生えます。夜は、前日に引き続いて市中に出ました。前夜は年に1〜2度杯を重ねるアパレル時代の友と会し、水曜日は年に2〜3度杯を重ねるようになった大学や官庁などに勤める人たちと会し、居酒屋で忘年会です。

 週の後半はあまり庭仕事が出来ませんでした。木曜日は8時半に受け入れた一組の来客にアイトワの理念とその実践例の紹介、午後は市内にある顧問先での話し合い、夕刻から夜にかけては恒例のアイトワ塾の忘年会でした。翌日は朝から市の委員会に出かけて2時すぎに帰宅していますし、翌土曜日は朝から妻と終い天神に出かけており、残る時間は年賀状に費やしたからです。

 土曜日25日は初氷を観察しました。例年より遅めです。不凍の貯水槽は水位が数センチ下がっています。これまでに見ない現象です。異常乾燥の警鐘でしょうか。蝋梅が2本ありますが、共に葉を付けたまま満開です。これも始めて目にすることです。タンポポと野生化した三つ葉が例年になく元気に育っており、例年より早く惣菜やサラダに生かされています。



妙心寺の境内です。例年2回ほど東京から迎えて2日にわたって過す仲間があるのですが、その初日を妙心寺で過しました。歳のせいでしょうか、この小径をカメラに収めていました。高校生の頃は、友を訪ねる近道にすぎず、ひたすら自転車のペダルをこいで通り過ぎています。

木陰のテラスにホームコタツを持ち出し、すき焼きを楽しみましたが、冬でも曇天なら立派に役立ちそうです。20時ごろからが雲が切れ、月が顔を出し始めると急に冷え込みました。だから食後のお茶は喫茶室に場を移しています。それにしても、丹波の産物を届けてもらった友にはお茶も出せなかったのが心残りです。
排水溝花壇です。今や夏は木陰となり、草花がかわいそうですが、毎年新しい球根を植えつけるか六甲サクラソウのような丈夫な草花を植えつけて花を咲かせています。庭には樹木を植える場所がなくなり、この花壇の間にまで植樹をしたせいですが、夏はパーキングの車が熱くならないといってお客さんに喜んでもらっています。
テラスにデビューしたサクラソウです。わが家の庭のあちらこちらで自生するようになった苗を、妻が鉢植えにしたものです。例年の場所に並べて年末年始のお客さんをお迎えします。白もあるのですが、苗の時点では見分けがつかず、今年は咲いてくれるかどうかまだ分かりません。ピンクの方は、今や濃淡の花が生じるようになっています。

庭に埋め込んでいた排水パイプ(クーラーなどのドレンパイプを転用)とその中から出てきた「もの」です。詰まった排水パイプを切り取ってみると、接合がまずかった隙間から木の根が入り込んでいたわけです。土管しかなかった時代は、地震などで生じる接合部のヒビが根つまりを生じさせました。樹木を茂らせる庭造りにはプラスチックの排水パイプが不可欠です。

最後まで残していた落ち葉の絨毯です。落ち葉の絨毯をとても喜んでもらえるお客さんの期待にこたえるためにいつも残しています。アイトワの暮れの休み(25日から大晦日まで)の間に取り除き、灰にして、土に返します。

終い天神の一コマです。妻と些細ないさかいから別行動となり楽しくない天神さんでしたが、2つの発見がありました。いつの間にかこうした行列が出来るようになっていたことがその一つ。行列までして鈴を振っても仲たがいを減らす知恵は授けてくれそうにないと思って見過ごしました。もう一つは次回にでも。