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リーダーの務め 05/01/16
山は荒れているのでしょうか。ムサシアブミの実まで小鳥にすっかり食べられてしまいました。ポッポも異常です。餌を撒くと、執拗に雌を追いまわして追っ払い、独り占めしています。秋には幾日も幾日も悲壮な声を張り上げて呼び寄せた雌ですし、これから雌は体温を上げて卵の孵化にかかる時期ではないでしょうか、酷すぎます。今週に入るまで、私たちは柑橘類に寒冷紗をかける要はないと見ていたぐらいですから、寒さのせいで餌不足が生じたとは思えません。
妻は大きな寒冷紗の袋を作りました。橙、柚子、甘夏ミカンそして2本の温州ミカンの5本を一緒に被える8畳の間ぐらいの袋です。金柑には一本で4畳半ぐらいの袋を被せていますから、本来ならこの5本をもっと離して植え、それぞれに4畳半ぐらいの袋を被せているところですが、密植していたのです。40年ほど前に背丈が50cmばかりの苗木を植えましたが、十分に離して植えたつもりでしたが密植でした。だから今年から小さく剪定し直そうと思います。冷え込みは、なんと袋を被せた月曜の夜からが始まり、水槽に分厚い氷が張らせるようになりました。
夜は庭でどのような動物が活動しているのでしょうか。温室に侵入した小動物がいます。20年前に建てたときに設けた空気抜きの穴が詰まっていたのですが、詰まった土をほじくり出して進入したのです。ネズミだと思うのですが、なぜ中に入りたくなったのでしょうか。
悲しいことが生じました。オーブンとロースターと4口のコンロが一体となった機械の故障です。オーブンの点火装置が故障しただけですが、企業は法定の部品の保管期間を過ぎたから新しい機械を買え、といいます。しかし、新機種には使い慣れた4口のコンロはなく、3口しか作っていません。どうして企業の経営者は点火装置などお基本的な部品は互換性があるものにさせ、使い慣れた機械を使い続けたい人のために補修や修繕に応じさせないのでしょうか。これからアイトワは2月20日まで冬休みに入りますから、その間に対応策を練ります。
水曜日は大阪の顧問先での仕事が午前中で終わったのを幸いに、天王寺動物園を訪ねました。年賀状で、一度案内したいと書き添えてもらった知人に甘えたのです。知人は動物園の質的改革の提案者で、すでに完成している部分を案内してもらいました。動物園を、珍しい動物を見知る場にとどめず、動物の生態への理解を深め、野生動物の保護に関心を高める場にしていました。私は別の理由もあって訪ねています。新聞で知った猿ガ島で生じた悲劇の現場を見届けておきたかったのです。リーダーが代わっただけで平和な島が惨劇の場になり、閉鎖されているのです。
帰途、知人とジャンジャン横丁でハシゴをしました。この人は、私と出会った15年ほど前は会社勤めをしていたが、私のスピーチを聴いてとても興味を持ったといいます。その後、会社を辞め、追求したくなった研究に没頭して博士号をとり、今は大学の教授ですが、動物園の改革にも一肌脱いでいるわけです。これからも「研究に没頭し、人間社会の安寧のために、動物生態学の面から貢献したい」とのことでした。もちろん、新しい研究テーマを提案しました。
彼が関わった「アジアの森」では、観客は象より1.5m低い目線から見上げるようにしています。動物を見下すのではなく見上げることによって、子どもの心に動物に対する畏敬の念を育てたい、といいます。実は、アイトワには「ピクチャーウインドー」と呼ぶ窓があります。お客さまに「虫の目線」を提供し、これまでとは異なる心境になってもらいたくて作っています。彼はこの心境を体験するために、近く訪ねてくれることでしょう。
週末は、大垣での新年会に出かけたり、アイトワでのパーティーを希望する若者を迎えて打ち合わせをしたり、4月から始まるエッセーのテーマの打ち合わせに望んだりして過しています。
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新たに妻が縫った寒冷紗の袋(左側)です。二人は長い竹竿を操り、5本の柑橘類に被せました。そういつまでもこのような重労働はできないでしょうから、数年かけて木を小さく仕立て直すことにしました。用いている生地は正式の寒冷紗ではなく、B品のポロエステル・カーテン地です。カーテンに使った残りを、畑の畝に被せるビニールトンネルの代替品などに生かしています。
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火曜日の朝、風除室のガラス屋根に張っていた氷です。降り注いだ霜が凍りついたのでしょう。「田毎の月」ではありませんが、サッシ毎に異なる模様でした。起きぬけ(6時)の居間の室温は7℃でしたが、隣室は3℃でした。北面を風除室で遮った居間が、隣室より4度も高かったのは風除室の効果かもしれません。
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温室の空気抜きの穴です。温室の入り口にセメントとレンガで階段を作ったときに、後から穴を開けるのは大変だと思って設けておきましたが、その必要性がなくて詰まるにまかせていました。そこを何者かがほじくり出して侵入したのです。暖かくなれば一度庭にテントを張って一夜を過してみようと考えています。夜分に活動する動物と出会えるかもしれません。
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天王寺動物園の猿ガ島です。2時間ばかり知人より先に着いて園を一通り見学しました。この猿を見世物にする閉鎖空間が、地獄になったのです。リーダーが代わり、強いものには弱い新たなリーダーが、おらが春とばかりにのさばった悲劇です。その実情を少し詳しくお知りになりたい方は、写真をクリックしてください。
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同園の、サバンナを再現した一角です。右奥側は舗装やコンクリートの側溝もへんですし、第一視線の配慮にかけており通天閣や高速道路なども丸見えでした。お金の無駄遣いのように感じましたので、知人と落ち合ってから文句をいいました。そこは彼が関与していない部分でしたが、彼は無駄遣いではないと応えました。学生を指導する上で生きた教材になる、とのことです。
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知人が勤める大学の紀要(きよう=論文集)から転載した写真です。森の広場を楽しむ象の姿を見上げるような視線になっています。彼が関与した部分は、周りのビルや高速道路などが目に入らないように配慮していますから、動物のストレスもやわらげていることでしょう。彼とは十数年ぶり再会でしたが、これからはしばしば杯を傾けそうです。
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ジャンジャン横丁からの眺めです。動物園では「夜行性動物」の昼なお暗い檻も見ましたが、夜は逆に昼間の照明をして安らかな眠りの時間を与えているそうです。その頃、私たちは立ち飲みでクダを巻き始めています。もしジャングルとかで凶暴な類人猿に出くわしたら、見下されるようにすれば攻撃されにくいそうです。勤めていた時に知っておきたかった、と思いましたが、あとの祭りです。
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