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さまざまな夢 05/03/27
先週に続いてまた一泊留りで丹後に出かけました。日曜の朝、9時半に迎えてもらい、巨大な古墳に登ったり、美味しい蕎麦に舌鼓を打ったり、「鬼の里Uターンひろば」と名づけられた公共施設に立ち寄ったりしながら2時過ぎに宮津市の施設に着きました。先週とは打って変わって快晴にめぐまれ、すっかり雪が溶けていましたから、台風23号の爪あとが生々しいかぎりでした。
今回は、訪ねたNPOの臨時総会がありましたし、要人にもお会いできそうでしたから出かけたのですが、楽しい夕食と翌日の朝と昼の散歩という余禄までつきました。海の幸をいかした夕食は魚のぶつ切りを入れた鍋と大ナマコの酢の物でしたが、蕎麦やうどんを打つ人までいたのです。朝の散歩では、裏山を谷伝いに登るとワサビが自生していましたし、寺の跡ではシキミの巨木に出会いました。また、ショウジョウバカマが無性生殖もできることを学んでいます。昼の散歩では少し車も飛ばしてマンサクを見に行きました。前回の雪中行軍で見た一本にたどり着くだけでも相当山道を歩きましたが、もう一本見事なマンサクがあると聞き、さらに一頑張りしたのです。江戸時代の棚田跡に背丈ほどのマンサクが一本ぽつんとたち、花をたくさん着けていました。
NPOの総会では、ビジョンやミッションを明確にする時期ではないかとの夢を語る若者がいました。これまではさまざまな人が銘銘の夢を抱いて山の施設を訪れ、思い思いの活動をして去っていったような一面がありそうです。未完成の構造物が多いようですし途中で放り出した山の手入の跡も目立ちました。それにしても、短期訪問者が中心でしょうし天候に左右される作業でしょうから、ここまで引っ張ってきた人の苦労は並大抵ではなかったように思います。理事会が終わるのを待つ間に、地元の人が売りに来たワサビの苗と湯がいたホタルイカを買い、4時過ぎに施設を後にしたのですが、道中の加悦町で温泉に浸かりましたから帰着すると8時になっていました。
翌火曜日は終日雨でした。定期的にホームページ作りなどで世話になっている塾生を迎えたり、屋上緑化を試みている塾生に苗木を取りに来てもらったり、繊維業界紙の記者に訪ねてもらったりしたぐらいで静かな一日でした。水曜から週末にかけては、前半は雨がちでしたが後半は晴れ間がちとなり、また応対に時間がかかる来訪者がなく、庭仕事が捗りました。コゴミの植え替え、ワサビの苗の植え込み、風除室の手入れ、木陰のテラスの前の踏み石並べ、堆肥をたっぷり入れたポットの苗床造り、エンドウの支柱作り、イノシシの尻拭いなどです。
イノシシの尻拭いとは、イノシシがミミズを求めてめくったコケを元に戻す作業です。牙でめくられ、散らかっているコケのかたまりを拾い、めくられた跡の形と見比べながらステンドグラス職人のように嵌め込み、貼り付ける作業です。ポットの苗床作りは、夏野菜の種播きの時期を意味しています。妻は5月の個展の追い込み中で、庭仕事には手が出せそうにないのですが、種まきだけはしてもらいました。その成長に心を馳せながら人形を創ってもらいたいのです。第一陣のキュウリとインゲン豆だけでなくトウモロコシとカボチャも一緒に播いてもらいました。
金曜日の午後は市の委員会に当てています。かつて何百人かの人々が村を形成していた谷あいの生活空間を守れそうになりました。かつて市は、公園にすると謳って買収し、地下鉄の残土捨て場と高速道路の建設地として生かそうとしたのですが、市民運動で差し止めらました。委員会では、道路はたとえ割高についても迂回させて稀少な野生動植物が残る自然豊かな空間を外し、公園計画は循環型社会に夢を馳せる場として生かすべきだと訴えたわけです。次代の一つの生き方、農を基盤とした持続性のある生き方を体感してもらえる公園にして、京都議定書が誕生した観光都市が打ち出す新しい観光スポットにしてはどうかとの夢です。
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巨大な古墳でした。綾部市私市(きさいち)円山古墳のてっぺんから下界を見下ろした光景です。10年ほど前に道路の工事中で見つかったそうです。渡来した弥生人のリーダーが夢半ばにして埋葬されたのでしょうか。2体の遺体が円墳の頂上に収められていたようです。自然の山を生かして造った古墳ではないでしょうか。
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鬼の里Uターン広場は、加佐郡大江町に定住を希望する人の体験宿泊施設です。そばにコミュニティスペースとしての建物や菜園がありました。京都の奥座敷でゆったりした人生を送りませんか、と夢を語りかけていました。
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夕餉は鍋を囲みました。施設は海の近くにありますから海の幸を楽しめます。そば打ちの名人のおかげで美味いそばも堪能しました。手打ちのうどんも不思議な味でした。とてもかたくて容易には飲み込めませんが、咬むというよりしがんでいるうちに、もう一口、もう一口と箸が伸びました。
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無性生殖の芽をつけたショウジョウバカマです。この葉の先につけた芽が土につき、根付くわけです。このタイプを栄養生殖と呼ぶそうです。アイトワにはショウジョウバカマだけでなく、無性生殖する植物がたくさんあります。ムカゴをつける自然薯や鬼百合、葉の縁に無性芽を鈴のようにぶら下げるメキシカンハット(弁慶草の一種)、根元に無性芽をつけるヤーコン。種芋で増やすコイモやジャガイモもそのうちでしょう。
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サカキの巨木です。中央の巨木(円内)は朽ちていましたが、その周りに芽吹いたヒコバエが株立ちの巨木になっていました。山寺の跡にありましたから、江戸時代に住んでいた僧が植えさせた庭木ではないでしょうか。
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江戸時代に開かれたと思われる棚田の跡に、ぽつんと一本立っていたマンサクです。先週に続いて案内してもらった人が、棚田跡の整備をしている時に見つけて取り置いたようです。「先ず咲く」が訛ってマンサクになったといわれますが、他に花をつけた木はもとより新芽を出した木も見当たりませんでした。
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木陰のテラスの前に埋め込んだ踏み石です。木陰のテラスを作ったために排水条件が異なったようで雨が続くとぬかるみがちとなったのです。別途、木陰のテラス用の照明具とコンセントの用意もしました。春の穏やかな日に、新緑を愛でながら夕餉を楽しみたいと思います。
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