アイトワのホームページ
アイトワ循環図

未来世代のライフスタイル 05/05/22

 この週は拙著『次の生き方』を入試問題に引用したとの知らせから始まり、『次の生き方』を演題にした講演で終わりました。その間に、幾多の出入りと交信がありました。出入りとは、久しぶりに一泊二日で大垣に出かけたり、京都教育大学をシンポジュームの下打ち合わせで訪れたり、幾人かの庭の見学者や庭の写生を希望する学生を受入れたりしたことです。交信とは、NHKのテレビ放映をきっかけに幾多の知人と電話や葉書などで旧交を温めたことです。

 風邪を引いたせいでしょうか、腰痛に悩まされています。木曜日の昼過ぎからその症状が酷くなり、その夜は風呂を控えて早めに寝たのですが症状は軽くならず、翌日は風呂で温めてやすみましたが快方に向かわず、下打ち合わせと本番の2度にわたって訪ねた日本環境教育学会場ではへっぴり腰姿でした。そんなわけで肝心の庭仕事は捗らずじまいです。週の初めにダイコンの跡を耕して堆肥や灰などを鋤き込んで畝に仕立て直したことと、妻の教室展で用いられたディスプレイ用の廃材を薪にし、義妹にもらったカキチシャの苗を妻と手分けして植えた程度です。山椒の実は妻が一人でとりましたが、昨年の半分程度です。野草が種を落とす時期ですから歯がゆい限りです。わが家では、種を落とさせる野草と落とさせない野草を常に意識し、随時かがみこんで選別除草をし、繁殖を調整していますが、腰痛でそれができないからです。

 ある学校から、入試問題ゆえに事後になったが拙著の無断引用を承諾してほしい、との知らせがありました。だから懐かしい過去を次々と思い出しました。高校時代の体験と、商社勤めや短大の学長時代の経験です。高校時代の思い出は、はからずも一度、成績簿に赤1(5段階評価の1の下)をつけられたことです。科目は教師を嫌悪していた国語でした。このたびの入試問題では、あろうことかその国語の問題に拙著が引用されたのです。それはひとえに商社時代の上司に感謝です。報告書の文章が「なっとらん」と叱られ、キチンと上司に理解してもらえるまで根気よく書き直さされたおかげでしょう。学長時代の経験は、しんみりと懐かしみました。

 学長は時期が来ると入試委員を任命し、望ましき学生を迎え入れる準備に手をつけます。この作業で私は、委員の選任と出題の方向付けに神経を払いました。「若者が真剣になって取り組む時間ですから、良き学習機会に生かしましょう」「深く考え、人生の糧にしてもらえる問題を選び」「好ましき若者が未来に希望を描き、時代の方向性に気付き、明るい心になれるようにしたい」と希望を述べ、あとは委員に全面委譲し、「いかなる問題が生じても、すべて私が責任を取ります」と言って無罪放免にしてもらいました。幸いなことに一度も任期中に責任問題は生じませんでしたし、年を追うごとに受験生が増え、全学科で募集定員を超える入学生を迎えた年に退任しています。思い残すことがあったとすれば、このたび引用されたような出題をし、入学を許可する学生を厳選し、小さな私学だけに、特色を鮮明にしたかったことです。

 基調講演は少し過激であったことでしょう。昭和20年の春に小学生になった私は、夏休みを挟んだ前と後の学期で先生の態度や教える内容が一転し、驚かされています。それだけに、教員の使命が「何かを授ける」あるいは「何処かに誘う」ことならば、それは「何処か、何処で役立つのか」を真剣に見定め、いかなる時代になろうとも役立つことを授けようではありませんか。環境問題がわれごととして次第に深刻になる子どもの立場に立てば、今の生き方を護持するための環境対策は問題の先送りだと気付くはずです。急いで次の生き方、つまり未来世代のライフスタイルを見定め、移行して見せましょう、と呼びかけたわけです。大勢の賛同者があったようで拙著が予想に反して出ました。一揃え買い求める人も一人や二人ではなかったようです。


ある学校の入試問題です。若者に「本当の豊かさ」について深く考えてもらえたようです。収入や消費の増大に血眼になる人生ではつまらないし、それでは資源問題や地球温暖化問題などで未来世代にツケを回すだけです。内容に関心がおありの方はクリックしてください。設問5で筆者が求める生き方を、6では回答者が願う生き方を問いかけています。私は設問6の環境化に対する考え方を重視し、その是非で学生を選別する学校にしたかった。

妻の教室展で使ったディスプレイ用の白樺の木を薪にしました。それは、幾人かの日本環境教育学会員を、総会のプリイヴェントの一つとして向かい入れる準備の一環でした。白樺は油分に富み、良い燃料になります。かつて幾度か訪れたスカンジナビア半島では、昔は白樺の木の皮を屋根に敷き、その上に土を載せ、草を生やし、寒さをしのいでいたようです。

小躍りするほど嬉しかった贈り物です。かつて妻が味噌造りをご一緒したことがある女性にも「テレビを見」てもらえ、転居先の東京から送ってもらいました。ケーキは手作り、写真はベランダで育てられた野菜です。産経新聞関西版のコラム「自活のススメ」で、ベランダでの野菜造りも勧めているだけに、嬉しさはひときわでした。野菜などの種類は、ネギ・サニーレタス・イタリアンパセリ・パセリ・ローズマリーです。
京都教育大学のキャンパスの一角です。トチの木が花をつけていました。過日のフランス旅行で見たトチに似た白や赤の花をつけていた木は、赤い花の方はマロニエで、白い方は西洋トチノキであったようです。自然の摂理を幼児期の私に気付かせた伯母は、この学校が師範学校といわれていた時代に教鞭をとっていたと聞かされています。
このたびのレジメです。「サクラ守り」としても高名な佐藤藤右衛門さんや、教育現場に動植物と触れる機会をふんだんに取り入れた先生とご一緒でき、とても幸せでした。私の講演要旨(フランス旅行から帰った翌日、2時間ほどで書き送ったもので、気に入っていませんが)と講演資料に用いた伯母の教えにご興味がおありの方はクリックしてください

陸生(?)のアヤメかショウブかカキツバタ(?)か、が庭で咲き始めました。数年前に一株もらったのですが、ここまで増やすことができました。このての植物に詳しい人に、そのいずれであるのか、原種かどうかなどを教えてもらいたいところです。原種ではないかと思われるほど小柄で清楚で逞しく、かつ気品を感じます。

ツタンカーメンのエンドウとウコギの木芽の収穫が続いています。ツタンカーメンのエンドウご飯を炊くときに、このたび妻は実を取り出したあとの鞘を一緒に(米の上に載せて)炊きましたが、期待通りに色素が豊かに出たようです。炊き上げた時は、緑色ですが、一昼夜保温しておくと赤く変色します。