地上では、地球に棲む人間としては不変の真理である地球の自転を証明していますが、地下はおぞましい空間のように思われました。フランスが偉人とする人の墳墓にしています。「自然に還れ」と呼びかけたJ.J,ルソーの棺だけなぜか木製でした。大理石などの石も自然の産物だし、樹木より人間の手では再生しにくい自然物ですが、生命を感じられないので自然とは見ないのでしょうか。もう一つ、『椿姫』を著したアレクサンドラ・デュマ・フィスは死後132年も経過した2002年にここに動かされています。『三銃士』を書いた父デュマが黒人奴隷の召し使えに生ませた私生児であったことが遅れた理由です。今頃になって顕彰したくなったのでしょう。死後に、家族が追悼していた霊を、第三者の生者の都合で動かすのは死者への冒涜ではないでしょうか。 |
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地下にはこうした納棺場がたくさんありました。まだ空きスペースもありましたが、木製は唯一でした。 |
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