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楽園をつくろう 05/06/19

 好天の下、今週も素晴らしい週初めになりました。岐阜県のある町から、予約を受けていた女性の会の人たちを迎えましたが、前日の慈雨で青々としていた木々に花が咲いたようになりました。その上に、未花ちゃんが子連れで久しぶりに訪ねてくれましたから、娘が孫を連れて訪ねてくれるような気分になりました。彼女のお母さんは妻の人形教室の生徒さんですが、母親について来てくれたのです。夕刻には、ホトトギスだけでなく久しぶりにカッコウまで鳴き、庭仕事の手を止めて妻と耳を傾けました。初めて作ったズッキーニの初なりを収穫し、味わいました。

 女性の会の人たちは、農文協の雑誌でアイトワを知っていただいた方々だし、生活改善を標榜している人たちだけに、とても熱心でした。彼女たちを見送った後で、未花ちゃん母子と囲炉裏場で語らいました。実は女性の会の人たちをお迎えする11時近くまで庭掃除をしたのですが、前日の雨で庭が随分荒れており、汗だくになりました。女性の会の人たちだけでなく未花ちゃん親子にも掃除した庭を喜んでもらいましたから甲斐が2倍もあったような気分になりました。

 ハッピーにとっては少しアンハッピーな一日であったかもしれません。予約を受けた庭の見学者があるときは、いつも前もって人の気配を感じとりにくい所に押し込められるからです。未花ちゃんの家族を見送った後でやっと夏の館に移してもらいながら、その囲炉裏場の側でも災難を感じた恐れがあります。どの犬もそうですが、側で焚き火をすると尾を巻き、土を掘り、掘ったところに寝そべろうとします。私が病気になった竹の手入れを始め、枝葉を囲炉裏場で燃やし始めたからです。それでもハッピーは私たちの側にいる方が好きです。このハッピーの姿を見ていると、なぜかいつも戦時中を思い出します。人々が競って防空壕を掘っていた姿です。

 週の前半は好天でしたから庭仕事に精を出しました。ツツジやサツキの刈り込みをはじめたり、庭木の枝さばきに手をつけたりしました。両親が生きていた頃と同様に母屋の周りから始めたのですが、「きれいになったねえ」との母の声が聞こえてきそうな錯覚をしました。母はいつも途中で「おうす」を一服振舞ってくれたのですが、それはありませんでした。トマトの周りに防鳥ネットを張りました。青くて小さな実をカラスがつつき始めたからです。トウモロコシの支柱だけでなくゴーヤの棚作りにも手をつけました。一度このような育て方をしたいと考えていた棚造りです。13日からインゲンマメの収穫が始まっています。とても美味しい。

 週の後半の雨や曇天がちの日々は、華道の機関誌や新聞のコラムだけでなく、別の新聞社から求められた機関誌用の原稿づくりにも生かしました。外出もありました。ラジオ番組ですが1時間の生番組に出演し、庭造りの思い出を語りました。里山公園の会議にも招かれ、持論を展開しました。ある化粧品会社の工場見学にも一日を割きました。中規模ですが健全で有名な会社で、水と緑がきれいなところにありました。大垣の環境会議にも1日を割いています。

 里山公園の会議では、いわば修学旅行生のメッカにもなるような、未来の生き方を学ぶ公園にしたいものだと訴えました。そのためには創造的な取り組み方が求められるはずですから、次のようなたとえ話をしました。10人の男に、それぞれ似た構成の老若男女100人と何か月分かの食糧や水と一緒に、似た10の島に移り住まわせ、10年後に見に行ったらどうなっているか。ある島は楽園に、ある島は地獄に、ある島は墓地だけとか傷ついた白骨が転がるだけの無人島に、とさまざまな様相を示していることでしょう。これから私たちは、老人や子どもが嬉々として働いているような楽園を、土地柄や風土を学びながら創造的に生み出さなければならないでしょう。これは女子短大時代に、私に学長の白羽の矢が立ったときの心境を思い出したものでした。

今年もアマリリスが咲きました。なぜか小さな花をつける葉も小さなアマリリスですが、そこが妻にも気に入ってもらっています。20年来生き続けている球根です。

初なりのズッキーニです。蜂がカボチャの花粉でも運んできたのでしょうか。少しカボチャの血が混じったようです。でも味や食感はズッキーニでした。妻はバターで炒めていましたが、これからさまざまな料理に生かすことでしょう。

未花ちゃんの子どもが見つけた虫です。目線が低いだけに、土の上で動く小さな虫まで見つけてしまいます。最初は小さなナメクジか、と見たのですが、角のあるイモムシでした。何の幼虫でしょうか。角はもとより、体が全般的に皮膚が厚いようで、硬かった。
お迎えした女性の会からいただいた誌納金袋です。こうした走り書きを加えていただいたのは初めてで、私たちお迎えしたスタッフも嬉しくなりました。アイトワでは、通りすがりの人、喫茶店のお客さんで庭巡りの注意を心得てもらった見学者、案内を予約して来られて見学者、サポーターの人たち、などによって庭を巡っていただく順路や対応などを変えています。
50%遮光のネットを生かした青菜造りを試みていますが、見事に発芽しました。種は、このたび菜園で収穫したもので、小松菜、白菜、水菜、花菜など複数の冬野菜が交配したものです。少し涼しくすれば夏にも青菜が楽しめるかもしれない、と期待しています。妻はこの縦じまの遮光ネットを見て、なぜかヨコシマな感じがするといいます。

ラジオの生番組での記念写真です。二人のお坊さんと女子学生に迎えられました。なんとこの場を与えてくれた人は、1991年に留学先の欧州で拙著『人と地球に優しい企業』を読み、覚えていてもらっていた人でした。このラジオ番組にご興味のおありの方は http://kyoto.fm/bonzecafe/クリックしてください。

収穫物が幾つか縁先に並びました。私が始めて育てた小麦は、素手で脱穀しました。長年育て続けてきたエンドウマメは、鞘に入った分は種用で、鞘を剥いた分は緊急時の食糧です。多くの場合は、ポッポなどの餌にまわされます。梅の実は、剪定を大胆にしたために収量がすくなく、妻はシロップ煮にするそうです。