悔しいことに
 悔しいことに、放っておけば妻は自分で気付いて直す人だと見ていながら、放っておけない私の性分です。妻は忙しい身なのに、いつも同じことを繰り返しては時間を無駄にしており、見ていていたたまれません。だから口げんかにもなります。その際に、私は気になっていたことをよく一緒に爆発させます。それも些細なことだから、己の性分が悔しくなります。

 このたびは、柿が問題でした。過日、長いハシゴを取り出して、ヒヤヒヤしながら柿とりをしました。お向かいから渋柿をもらった妻が、「甘柿をお返ししましょう」といいますから取ったのに、バタバタしていっこうにお持ちしていなかったのです。だから3度目の注意は、「放っておけばだんだん品質が上るとでも考えているのか」との罵倒になりました。

 そこでやっと動いたのですが、それでも「お留守だったらどうしよう」と言い訳をしていました。ばかばかしくなって無視しましたが、すぐに(門扉に)「ぶらさげておけばいいんだ」と自分で勝手にこちらが言いたい答えを出していました。

 結局、私が取った柿の多くが熟れすぎて、お持ちできなかったようですが、それを妻は夜なべして、美味しいジャムに煮ていました。