学生のアイトワ訪問記
 前々回の学生のアイトワ訪問記について、2人の学生と連絡を試みました。事前了解を取らずに引用しながら、その一人の氏名まで載せてしまったからです。引率教員を通して試みましたところ、学生から返事をもらいました。「両親と再訪したい」といっていた青年に、次のような心境を漏らしてもらいました。

 

                  

  「小池 洋平です。お久しぶりでございます。以前アイトワに訪れた際、良いお言葉と数々の影響を頂けたことをとても感謝しております。
 
 この度私の書いたレポートをアイトワのホームページにて掲載していただきありがとうございます。 文章力も未熟なレポートで恥ずかしいばかりですがそんな文章を細かに読んで頂きとても嬉しいです。

 私が最後に親と訪れたいと書いたのは… 
私には兄が二人居ます。歳は12歳10歳離れていて親は父67歳母63歳なのです。 同い年くらいの学生は皆親の歳は45〜50代前半が多いです。 普通の20代にしては親は歳をとっているほうなのでまわりにくらべ親に対する気持ちにも違いがあります。

 面倒をみるのはすでに親から子ではなく子から親とゆう印象が早いうちから自然と芽生えてきています。 私の母親は自然が好きでよく実家の近くの野山の中から枯れ木や花を持ち帰って活けています。 そんな母親を是非つれて行ってあげたい場所だと感じたからでした。きっと喜んでくれるでしょう。親孝行といった感覚です。

 そういった訳でいずれや必ず親と共にアイトワへと訪れると思います。では失礼いたします」

 

 実は私も姉と10歳違いです。だからでしょうか、かつてよく似た心境の日々を送っています。就職は親元から通えるところを選びましたし、その商社での面接では「私の了解を取らずに転勤や海外駐在を決めたら、私も勝手に辞めさせてもらいます」と語っています。余談ですが、その真意は理解されず、「君が見る君より、私たちの方が正確に君の可能性を見抜くかもしれない」といった返答をもらい、この人たちの下で「働きたい」と思っています。

 そんなわけで、転勤や海外駐在はせず仕舞いになりましたし、妻と二人で泊りがけの旅行をしたのも数えるほどです。近頃、ときどき妻と語らいます。「私が嫁いできたときのお父さんやお母さんの歳に(私たちは)近づいたのですね。当時は(両親を)すっかりお歳よりだと思っていたのに」と妻。その両親が共に享年93歳まで元気でした。だから「こんなことになると分かっていたら、一度でいいから海外駐在や留学に応じておけばよかったなあ」と私。

 洋平君のお父上と私は同い年でした。
実は、洋平君と一緒に訪れた仲間のレポートをできることなら、すべて載せたい心境です。アイトワに目をつけて引率される先生の感化が大きいのかもしれませんが、一言半句見落とさずに読みたくなる文章ばかりといっていいのです。私は彼ら若者の感受性豊な声に随分元気付けられています。