小泉さんにうんざり
 小泉さんにうんざり。「靖国に参拝したから国際交渉に応じない」とは何事か、そんな一事で国家間の大切な問題に影響をおよぼさせるとは、とか、国内にも靖国参拝を非難する者がいるとはなにごとだ、といわんばかりの発言をしました。また、後継者選びについて、国民に人気がある人であることが大切だ、との主旨の発言もしました。主権者たる有権者もこうした発言に責任があるのではないでしょうか。

 これまでに、靖国神社の参拝を、国に言われて止めるわけにはいかない、といった発言をしてきましたが、戦争には相手があります。当問題は被害を与えた国々が相手です。だから、この発言を正確に言い直せば次のようになるでしょう。

 「侵略を命じた日本人まで祭っている」神社の参拝を、「その侵略で多大な犠牲を強いた相手」国に(参拝を止めて欲しいと)言われても(日本の有権者に選ばれた総理大臣としては)止めるわけにはいかない。

 こんなことを繰り返し言ったりしたりしていているのを放っておいてよいのでしょうか。子どもの世代にまで禍根を残さないでしょうか。

 もちろん私は、靖国参拝を否定しているわけではありません。夫や息子などを失った人をはじめ、戦争でつらい思いをした人が参拝したくなる気持ちは十分理解できます。また、いかなる場合であれ総理の参拝を否定するものでもありません。総理が参拝するなら、(いわば侵略を命じた人も戦争の犠牲者ですから、つまり戦争が原因ですから)戦争自体を悪として全面否定しなければいけません。まず海外派兵の演習と映りかねないことは止め、憲法9条を堅持し、出来れば自衛隊をなくす方向に歩みだし、そのお金や人員を近隣国の災害援助などに生かすなど、行動で平和を希求していることを示すべきです。

 小泉さんの意に沿わぬ人に対する了見の狭さや言い回し、あるいは小泉さんの人気を見ていると、過去の侵略戦争を命じた人も、当時は多くの国民から相当の支持を得ていたに違いないと思うようになっています。私たちは、当時と似た心境に追いやられている恐れがありそうです。
 
 同じ失敗は繰り返さないためにも、国民は国際状況を正確かつ総合的に説明を受けようと努力し、省略や巧妙な言い回しを見抜く力を身に付けるべきではないでしょうか。
 
 こんなことに時間を割いて説くなんて、私は大人気ないのでしょうか。それとも、何か失礼な誤解でもしているのでしょうか。

 正月6日の午後、蝋梅が一輪ほころびました。