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世界の桃源郷を目指そう 06/01/22
腰を痛めることがいかに大変なことか、思い知らされました。土曜日の夜は、高級乗用車の助手席には乗り込めなかったのです。コージュロイのズボンをはいていたせいもありますが、シートに張ったビロードのような生地とズボンの尻が滑らず、体を滑り込ませませんでした。かろうじて後部座席に、杖も駆使して乗り込み、三人会の会場に連れて行ってもらっています。
三人会の1人は、今は週に何度か顧問先に出かける他は、趣味の映画鑑賞などに費やしており、『男たちの大和』も見た、といいます。映画としては「失敗でしょうな」とのことでしたが、鑑賞していた「女は泣いてましたよ」とのことでした。戦争は、人間をとても感傷的にする一面があるのでしょう。日本の「和の精神」と同様に、戦争は究極のコミュニケーションの道具なのかもしれません。かつて山本七平は、「和は『外』に対しては不和」との指摘をしましたが、戦争はまさに外との不和を煽り、内でのコミュニケーションを密にする格好の道具なのかもしれません。ブッシュも9・11を戦争だと叫んで国民の心を一つにしています。やっと近頃になって、それが卑劣な試みであり、醜いアメリカの一面を露呈させたと気付くアメリカ人を増やしています。
近頃、戦艦大和が一種のブームですが、不気味です。実は私も『男たちの大和』を見て涙ぐみかねなかったのです。かつてはそれほど戦争に対して感傷的な時期があったのです。サラリーマン4〜5年生の頃まで、特攻で死んだ人たちの無念を晴らしたくて力んでいたのです。しかし、いつしかそれは「外に対する不和」を煽り、内輪でのひとりよがりを求めているようなものではないかと疑問を抱くようになり、山本七平の上の指摘などに接して、意識を改めています。
それはともかく、過日「戦艦大和」の甲板にチーク材を用いていたことを知り、むなしくなっています。サラリーマンの頃は、私も10年もすれば再改装する百貨店の店内店で、床に大理石を張ったりしていたのです。大切な資源を、みすみすゴミにするだけだと気付けなかった自分が不思議です。どうやらビジネス戦争も、戦争と同様に、無駄を無駄と思わせなくする魔力を持っているのかもしれません。それが沈み行く宇宙船地球号の上で、居心地の良い席を求めて足掻き、船自体を沈ませかねないことをしているわけだ、と私は気付かされ、意識を改めています。今では、無駄にしてきた大理石などを、ローマのトレビの泉ではありませんが、どうして永続性が期待できる観光資源つくりに生かせなかったのかと反省しています。ちょっとした心がけ次第で、今からでも日本は、世界が大切にしたくなる桃源郷に出来るはずです。
水曜日に、ある雑誌のインタビューにこたえた原稿が届きました。六本木ヒルズ族を遅れた人たち、と呼んでいました。虚業社会から実業社会へ、コピーの社会からオリジナルの社会へとよみがえって欲しいとの願いです。貨幣はコピーの典型でしょうが、コピーに執着する社会から、お袋の味に始まり工芸や芸術にいたるオリジナルを愛であう社会にしたいものです。わが国は襖絵や根付や浮世絵に見るまでもなく、実生活に芸術を取り入れた稀有な国だし国民だったのです。だからジャポニスムが欧州で生じたのでしょう。今は、新ジャポニスムを目指す時です。
金曜日は、午前は大学で、午後は若手経営者を招き、レクチャーをしています。それにしても、腰を痛めることは大変なことです。痛めてから6日後の朝から、やっと目覚めたときの背骨の痛みがなくなっていました。体を硬直させずにやすみ、睡眠中に体を動かせるようになったのでしょう。7日目に庭を一巡する気になっています。8日目から尻に手が届き、9日目の木曜日に靴下が自分ではけるようになり、そのときから数時間を越える外出にも応えられるようになっています。これから、土曜日は柳宗悦の民芸品展の見学に出かけようとしています。
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やっと満開になった蝋梅です。例年の2週間遅れと見ていますが、なぜか葉を落とさずに残しているのが気になります。大阪では逆に、例年より12日も早く椿が咲き始めたとの報道がありました。どうなっているのでしょうか。わが家の椿の蕾は、まだ固い。
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焼いた餅を入れる澄まし雑煮を楽しんでいます。カツオとコブでだしをとり、カシワやシイタケなどを具に入れます。
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高校生の頃に戦艦大和を作りました。戦前に父が用いていた名刺とセメダインを生かしています。主砲などは爪楊枝。せっかく連合艦隊を造りながら、留守中に母に潰され、その再建に没頭して受験にも失敗、連合艦隊も未完に終わっています。「この船を試験官の前に並べたら、入れてもらえるのですか」が母の言い分でした。今なら一芸入学の対象でしょうに。
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再建しかけていた連合艦隊の一部です。商社に入ってからは、ビジネス戦争に躍起となり、独身寮で「わが国を豊かにするための尖兵となろう」と幾人かの友と誓い合っています。先週、新年会に参加できないと長電話した友もその1人です。彼は専務になってから奇病にかかりました。私も和を、外に対する不和だと気づいていなかったのです。当時の心境は『このままでいいんですか』で、「膨張の呪縛」という小見出しで吐露しています。
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神風特攻機にも使われた飛行機です。プラモデルなどなかった頃に、興味が軍艦から軍用機に移ったのです。素材は、割り木(手前)から、買い入れた朴の木へと高級化させ、ナイフで削りだして造っています。ほろ苦い過去を振りかえるために今もこれらを残しています。
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私の気持ちを言い当ててもらった意見がありました。悪しきアメリカ(の部分、ブッシュ一派)との和を求め、それ以外(の良きアメリカの部分も含む)との不和を進めるやり方はまちがっているようです。今は、新ジャポニスムの波を生じさせ、世界を平和的に先導すべき時なのに、好戦的な国になりかねないとの印象を植え付けていることになります。
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ペチコート水仙が咲き始めました。水仙の原種の一種です。白が原種のようで、同じ形態の黄色は改良種なのか、同じように植えたのに黄色はほぼ絶えてしまいました。
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