今日の日本の問題点

 

 今日の日本の問題点。ニュージーランドで、レイさんに連れられて家を建てる道具や資材を仕入れる店を訪ねたのですが、日本にはない大きな板を売っていることに気付きました。それはサイズの大きさに驚いたのですが、よく見て2度ビックリです。合板ではなく、ムク材だったのです。合板技術が遅れているためだろうと思いました。

 帰国後、妻と約束していた納屋の建具の補修に当たりました。合板が、雨に打たれよい部分からはがれ始めていたのです。接着剤で貼り付けて、防水塗料を塗れば補修できるだろうと考え、手を付けました。ところが、大問題があったことに気付かされたのです。そうした補修を前提とした建具ではなかったのです。

 はがれた隙間に、丁寧に接着剤を塗りこみました。そのために、学生時代に用いていた油絵の道具、パレットナイフを探し出して用いたのですが、それは無駄な努力であったようです。

 圧着するために圧力を掛けようとして、その問題点に気付きました。圧力を掛けられないのです。合板を両面に張った建具ですが、襖と同様に合板を張った内部が太鼓状で、空洞があるためにへこんでしまい、圧力を掛けられなかったのです。

 要は、耐用年数が、20年とか30年といった基準の製品だったのでしょう。合板技術を生かし、高級な木材の化粧板を張ってありますから、見かけは素晴らしいものが出来ます。しかも、合板だから、薄くても割れにくいとか、ヒビが入りにくくするなど、ムク材よりも優れた性能をそなえているものと私は考えていましたが、裏切られました。

 ニュージーランドでみたムク材を用いていたら、見掛けは悪くても、塗料などの塗り替えさえこまめにしたら何代にもわたって用いられることでしょう。

 わが国は、お金がまだある間に、また木材を輸入できている間に、末永く用い続けられる家や建具に切り替えなければ、未来で世代に、撮影用の張りぼてのゴミを残すようなことになってしまいそうです。