孤独や薄幸のバロメーター

 

 孤独や薄幸のバロメーター。婦人用高額アパレルを取り扱っていた時代に、地方の得意先専門店を訪問した折に、とりわけ大切な顧客のご自宅にご挨拶に伺ったおりの印象です。販促活動として訪ねている間に、婦人用高額衣料を大量に買い求める女性の中には、1つの切り口でくくることができるグループがあることに気付かされたのです。

 ご主人の収入が多い。本人は無職で自由時間をたっぷりと持っている。しかし、ご主人との接触や会話がとても少なく、しかもご主人の行動をつかめていない。だからでしょうか、手料理そして迎える気力はわかないし、ご主人もワイシャツを家庭洗濯するようなことを求めたりしない、といったグループがあったのです。

 この切り口でくくれる女性の共通点は、高級車や外食を好み、おしみなく冷暖房器を駆使するなど、炭酸ガスの排出量が多そうな生活をしがちになっていたうえに、宝飾品や高額衣料を大量に購入に走る傾向にありました。つまり、地球温暖化を加速しかねない物的豊かさを欲しいままにしながら、自分は孤独で薄幸な立場のようだと感じていたのです。