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創ることは生きる証 06/05/14
先週末の奈良旅行までは好天に恵まれ、7日の日曜日は終日雨が降りました。おかげで理想的なGWであったかのように思われました。好天の下で植えつけた夏野菜の苗や直播した種を、確実に根付かせたり発芽させたりする慈雨と感じたからです。問題があったとすれば、ウドを水曜日のテレビ取材の折に初収穫したのですが、少々長けさせていたことです。
奈良の新大宮駅近くにあったホテルには夕刻に着いたのですが、大阪に着いたかのような錯覚をしています。奈良県は平城京などの復元に努めていることで知られる都市だけに、残念でした。欧州の都市、たとえばイタリアで言えばフィレンツェやミラノ、ローマやナポリなどのように、都市毎の特色とか個性的な一貫性を微塵も感じられなかったからです。
それはともかく、夜は鳥料理屋にくりだして歓談し、ホテルに戻ってなお深夜まで談論風発し、翌早朝は唐招提寺で心静かな法要や散策を楽しみ、昼食は創作料理屋でうきうきとした気分を味わっています。その間の昼前に、少し時間ができましたから、高級住宅街の一角にあった松伯美術館に立ち寄って庭と作品を鑑賞し、「つくる」という言葉の幅(創る、造る、作る)を考えています。松伯美術館の庭は出来たときから今日まで刈り込みによってほぼ同じ姿を留めているようでしたし、3代の血縁者による作品は母に習って息子が、さらには孫が同じ方向にとらわれていたからです。この庭と作品群に、創るではなく造る技や術を見たような思いがしたのです。
月曜日は、ある環境財団の用で朝から大垣に出かけ、夜は京都の市街で恒例の飲み会に参加しています。飲み会では、初参加の女優との会話を楽しみました。同席した2人の中国人学者によれば、彼女は毛沢東中国になってから最初に紹介された日本人女優であり、中国で最も知られた日本人の一人であるとのことでした。それが、この人であってよかった、と思いました。
火曜日は終日庭掃除に割き、水曜日午後の取材に備えています。小雨の下で、短いローカル番組のために半日をつぶしましたが、エコライフガーデンを創出した想いやそこで見出した悦びを番組担当の若い主任やクルーにどのように汲み取ってもらえたのか、興味津々です。最後に一言、私が大切にしている言葉を選んで語るように求められ、「創ることは生きる証」を選んでいます。これは妻が創った言葉ですが、この言葉に私は共感しただけでなく安堵させられたからです。人によっては苦労や苦悩の種に過ぎないかもしれない生き方であるからです。消費財やサービスの選り好みに生きる喜びを感じたりする人であれば、創れなかった言葉でしょう。放映は数分に編集され、23日火曜日の夕刻、NHKの地方番組で6時半ごろから、とのことでした。
週の後半に好天が戻り、開花時期に入っていた小麦を喜ばせました。また、日本版ホームビルダーに訪ねてもらいイノシシよけの垣根造りをしてもらっています。だが土曜日にはまた雨が降り、それが私には好都合となりました。その前にキュウリやチマサンチュ(カキチシャ)の苗を定植していましたし、フキの収穫も済ませていましたからです。ゆったりした気分で骨休めができました。ちなみに、わが家ではチマサンチュを年間に3回も発芽させ、1年を通して収穫し、生食だけでなく、炒め物やスープなどさまざまな創作料理に生かしています。
来客は4件でした。その1人から2週前に触れた京新菜の学名をラファノブラシカと教えられています。ラファノは大根を、ブラシカはアブラナ科を意味するそうです。わが家では長年にわたって育てた大根の半分ぐらいに花芽を付けさ、楽しんできましたから、この新商品の値打ちがよく理解できます。来週にでもオクラとゴーヤを定植し、エゴマとツルムラサキを直播きすれば今年の夏野菜の準備は完了です。先週直播した人参とクウシンサイが発芽し、順調に育っています。
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奈良へは京都の市街地にある友の家を起点に、2台の車に分乗して出かけました。友の家は小堀遠州ゆかりの家屋などを移築したものといわれ、昭和58年から京都市の指定有形文化財になっています。維持管理に大変な負担を強いられていそうですが、こうした個々の点を守らせるだけでなく、欧州の都市のように面的に保存する行政の組織的な努力が望まれます。
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唐招提寺で見た瓊花(けいか)です。鑑真和上の故郷、中国揚州の名花が咲き誇っていたわけです。鑑真和上の命日は6月6日とのことですが、それまでこの花が咲いているといいのにな、と思いました。
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数分間の番組の一部を飾るために、庭を駆け巡って収穫した食材です。初収穫したウコギとフキはこれからがシーズンです。ウドも初収穫でしたが、これはシーズン末期です。ミツバ、ヤブガラシ、ミヤマイラクサはこれが最後の収穫となりそうです。花をつけているのはコーンフリー。
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クルーは、その気になれば誰にでも手に入れられる食材(山菜の生かし方)に興味をそそられたようです。問題は、山菜をいかに絶やさないように、むしろ翌年はもっと多く収穫できるように配慮して採るか、その意義を心得た昔の文化を取り戻さなければならないことです。1人でも身勝手な人や無知な人がいて、根こそぎに採れば、それでお終いです。
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水曜日のご馳走でした。ミヤマイラクサはアスパラガスのようにベーコン巻きになりました。今年の初物、ウコギ飯は土釜で炊き上げたご飯でつくりました。雨が上っておれば、木陰のテラスに持ち出して食べようと考え、松花堂スタイルになったようですが、雨でした。
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小麦が地味な花を咲かせました。小麦はカメムシ類だけでなくカミキリムシ類も呼び寄せることを知りました。彼らは花粉の媒介に来たとは思えませんから見つけ次第殺して、間引いています。庭では色彩豊かな花も咲いています。
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日本版ホームビルダーの手になる鉄柵です。これまでは4〜5年毎に自分たちの手で竹垣を作り直していたのですが、恒常的な垣にしました。イノシシ対策の一環です。目的だけを伝えて造ってもらったのですが、完成したものはアイトワ(のマーク)を連想させる垣でした。きっと創る悦びが伴っていたことでしょう。
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