環境と経済の共鳴

 

 私はこの講演に感動しました。政治に携わる人で、ここまで意識を転換したことを率直に明らかにした人を見たことがなかったからです。これからの経済問題は、環境問題に誠実に取り組まなければ円滑な発展は期待できない、と強く感じさせる内容でした。

 手前味噌になりますが、環境の世紀に備える必要性を訴えた拙著『人と地球に優しい企業』や『「想い」を売る会社』で訴えた「優しさ」や「想い」に触れたような心境でした。でも、この優しさは、(未来世代など他の)人や地球(環境)に優しくなるために「自分たちには厳しくなる」ことを迫りますから、必要性が分かっても政治家は声を大にしにくいのかもしれません。

 少なくとも、この人は小泉さんや竹中さんとは正反対の政治が必要だ、と感じている人に違いありません。小泉さんや竹中さんは、改革を叫びながら、本当の改革どころか、ブッシュさんと同様に時代を逆行させていただけ、といずれあきらかになるでしょう。