敏感かつ深刻

 

近頃、金子みすずの詩が静かなブームです。その代表作「大漁」

朝焼け小焼けだ 大漁だ 大羽鰮(いわし)の 大漁だ
浜の祭りの ようだけど 海のなかでは 何万の 鰮のとむらい するだろう


 この心が分かっていたら、鰮などを餌にしてハマチなどを養殖することはなかったでしょう。でも現実は、経済至上主義を蔓延させ、鰮などを追い詰めてしまったようです。結果、鰮がマグロより高級魚になりかねないとか。これも錬金術とみられているのかなあ。

 そう遠くない未来、大豆が、麦が、米が、あらゆる食料が、この鰮のニュースのような形で報道されることでしょう。その予感が、金子みすずの詩をブームにしているのでは。もしそうだとすれば、芸事もそうして人の心を満たしたいものです。