心惹かれる会社

 

 企業の社会的責任の大切さを訴えて拙著『「想い」を売る会社』を全社員に配った会社があったことを知ったからです。決して拙著を配ってもらえたから興味をもったのではなく、どなたの著作であれこうした内容の書物を社員に配ることが出来る経営者に興味を持ったわけです。

 友の近著『「良心ある企業」の見分け方』が指摘するように、日本の企業がコンプライアンス(法令遵守)の徹底程度に努めていたのでは国際競争力には勝てないように思います。日本の消費者が欧米並みに賢くなれば、その程度の会社は見放してしまうに違いありません。

 コンプライアンスの徹底程度では不十分であることを前提に、「企業の社会的責任」という団体を創設したアメリカ企業の例を引き、かくあるべしとの考え方を述べたのが『「想い」を売る会社』です。ですから、コンプライアンスの徹底で十分だと考える経営者なら決して社員には配らないはずだ、と思ったわけです。