小泉さんの5年」

 

 立派な人の文章は違うなあ、と感心しました。アメリカからの牛肉輸入再会、基地移転費用の肩代わり、あるいはアメリカのイラク攻撃への石油無償供与や派兵などを個別に非難するのではなく、みごとな総括をしています。

 暴力的にアメリカよりも強い国が誕生したら、ブッシュのアメリカがイラクに対して行ったことは言いがかりであり内政干渉であったと総括しかねません。そしてもし、イラクへの損害賠償問題が生じたら、自衛隊のイラク派兵や石油無償供与はどのような評価をされるのでしょうか。

 その総括の役回りをアメリカの次期政権が演じないとも限りません。それが、かつての栄光を、つまり世界の警察官のような役割を演じていた頃の栄光を取り戻させるとしたら、演じるに違いありません。それが同時に民主主義の信頼性を高めることでしょうし、暴力に慄いて三下のような尾の振り方をする人を減らすことになるのではないでしょうか。

 中国や韓国に言われて靖国参拝を止めなかった小泉さんは、アメリカに言われていろいろなことを成し遂げました。それは国益でしょうか。