思わぬ方法
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このたびのプロの鮮やかな技には驚かされました。下から枝を切り取って落とながら登り(写真左)、頭の部分を下に落しても支障が生じないところまで小さくしてから切り落す。その上で、下りながら幹を切り落しても問題が生じないサイズに細切れにして落しつつ順次降りるわけです。 その幹の切り落しのために、小型のエンジン式チェーンソーを腰にぶら下げて登っており、そのつど高い木の上で点火したり切ったりしていました。 一番高いところまで登ったときは幹がしなっており、折れそうに思いましたが、落した枝の目方と己の体重を見計らいながら登っているそうで、「大丈夫」と聞かされました。さらに、作業が完了したあとで、「風がなかったから楽だった」と聞かされました。 このときに、私は過去に自分で木の頭の切り落しをしていたときのことを思い出し、妻を心配させたことを反省しました。その頃は良い小型のチェーンソーを見かけなかったし、あっても私には使いこなせませんでしたから、風を活かして手ノコで切り落していたのです。 落したい方向を見計らって登り、まず落したい部分から上の枝を、落したい方向の枝を多く残して整枝する。つまり落したい方向を重くなるように枝を剪定する。次に、その下にある枝のなかから落したい方向とは逆にある適当な枝に目星を付ける。つまり握りやすそうで、握ってぶら下がっても折れそうにない枝を選ぶ。その上で、都合のよい風を待ちながら切り落とすためのノコを入れるわけです。 逆風がきても折れないところまでノコを入れておき、順風が来たらその風が止むまでに一気にノコを入れると、ベシッと音がして頭が飛び散るようにして落ちてゆきます。その爽快感は相当のものです。そのときの反動で木から振り落とされないように要注意です。 もちろん時々思ったようにはいかず、木の頭が己の頭の上に落ちてくるようなことも生じます。そのときは目星をつけておいた枝にぶら下がって難から逃れるわけです。あるとき、片腕でぶら下がって自分の体重を支えられないことを知り、太い木の頭落しをやめました。 昨年の暮に、北隣の常寂光寺との境にあったクヌギの頭を落しましたが、このたび西隣との境で育っている杉の木のうちの10本ほどに手を入れる必要性が生じたのです。そこで常寂光寺と相談し、常寂光寺に出入りしているプロに切り取ってもらうことになったのです。 10数本の12〜13mに育っていた杉の頭を切り取ったわけですが、昨年の暮にクヌギの頭を切り取った影響で風当たりが強くなり、大風で折れる心配が生じたためです。樹木は互いに影響を及ぼしあいながら育っていますから、間引いたり、枝を打ったりと、人間の都合で手を入れるときはその弊害にも要注意なのです。 この杉の頭取り作業のために、小径をつくる必要(写真右)があったのですが、そこにはコゴミ(写真下)やミヤマイラクサなど山菜やカシワバアジサイが生えていましたから、掘り出して移植したり、植え込みのサツキの枝を大幅に刈り込んだりする必要がありました。 |
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