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アイトワ循環図

樹木十年樹人百年 06/10/15

 よい1週間になりました。アイトワ塾生との楽しい触れ合いが重なりましたし、午後のお茶を2度も楽しむ日が重なったり、2日間を割いて薪作りに結びつく庭での大仕事を片付けたり、2度も鍋料理を楽しんだり出来たうえに、久しぶりで玉虫に触れることができたからです。

 日曜日は、染色会社を営むアイトワ塾生が奥さんと一番下の子どもを連れて昼過ぎにバケツを届けてくれましたが、もう1人のアイトワ塾生を午前中から迎えていましたので、午後のお茶の時間がとても賑わいました。また、遅がけに静岡の友が「娘を嫁ぎ先に送ってきた」といってひょっこり訪ねてくれたうえに、京都にもう一泊するから「明日は庭仕事を手伝いに来ます」と約束までしてもらえたのです。夕刻には妻が、工房からいつもより早い時刻に居間に戻って来たのですが、「玉虫が帽子にとまりました」といって人形ごと見せに来てくれたのです。

 月曜日は思わぬ大仕事が出来ました。静岡の友はブルーベリーを育てるのが得手とのことで、まず朝一番はその手入れの仕方を学びました。実をとり終わった10月に、窒素分の少ない肥料をやり、土壌を酸性に保つことが大切とか。その後は午後の3時近くまでかけて、友はエンジンソーで杉の丸太を駒切れにしてくれました。過日頭を切り取った杉で、雨ざらしにしていましたから気になっていたのです。私はその間に枝の山を1つ片付けましたが、下の方の葉は既に半ば腐っていまし。鉈で小枝を払い、薪と柴にしました。友が帰った後、エンジンソーに残っていたガソリンを使い切るために、楠の丸太を駒切れにしました。この楠は、妻が嫁いできて間なしに切り倒したものですが、30年以上もの年月を経ていたのによい香りが一帯にただよいました。かつて樹木十年樹人百年という一文を作ったときのことを思い出しました。

 水曜日の午後に、泊りがけの出張から帰ってみると、秋田から「きりたんぽ」が届いていました。本物のマイタケ、横手市山内産のコイモ、比内地鶏の出汁が添えられており、さっそく鶏肉とゴボウやネギなどを加えてこの秋最初の鍋を楽しみました。実は週始めに、ニュージーランドでお世話になった一家から麺類が届いていました。一家で甲州を訪ねて買い求めた富士の湧き水を生かした麺類です。その中の「ほうとう」を味噌煮込みうどんに生かし、金曜の夜も鍋を楽しんでいます。その日は午後に腐葉土小屋で大仕事をしており、ガツガツと食べたようです。

 木曜日は終日松の手入れです。庭に残っている数本の松は最早私の手には負えません。プロの手を借りてその1本を切り取り、1本の頭を抑えたのです。その間に私は、切り取った松の枝を囲炉裏場に運び、松の枝を燃しながら杉の駒切りを斧で割っています。翌日の腐葉土小屋での大仕事とは、奥に残っている去年の腐葉土を手前に移動し、奥の方を空けて、今年の落葉を積み込めるようにしたわけです。歳甲斐もなく設計上でミスを犯していたのが原因です。土曜日は、喫茶店がオープンする10時までに、杉の駒細切れをストーブ用の燃料としてテラスの薪置き場に運び込み、残りの細い部分などは風呂の燃料にするために、薪の束を4つ作っています。

 この間に、顧問先への出張に1日半を割き、大学で始まった講義の初日のために半日を割いています。また、庭の見学依頼の下打ち合わせや、新しい本の構想の相談に来ていただいた人たちとの面談にも時間を割きましたし、顧問先から届いた膨大な資料の読破にも手を着けています。今回の見学以来は、京都のある区が開催している市民勉強会の人たちの見学です。週始めに、ブルーベリーの手入れをしながら気付いたのですが、今年はブルーベリーも大不作の年でした。キウイフルーツは1つもなりませんでしたし、ナツメもほとんど実がついていません。しかし、シホウチクは、昨年より細いのが多かったとはいえ無事に筍を出しています。

喫茶の前庭に飾っている2体の人形の一方です。遅がけに妻が取り込みにいったら、帽子に玉虫がとまっていたわけです。
この楠には辛い思い出が伴っています。こんなに悔しい思いをしながら切り倒した木は他にはなく、いずれ木彫にでも生かそうと思って今日まで残していたものです。2つか3つの駒切りは囲炉裏場の椅子にでも生かし、他は煙の香りが分かる人のために薪として生かし、風呂を焚いて進ぜようと思います。海詩が次に来る時まで残しておこうかな。
杉の駒切れを薪ストーブの燃料として積み上げました。もうしばらく雨ざらしにしていたら火力は半減以下に落ちていたことでしょう。細い部分と枝は風呂焚き用の燃料にしましたが、下の方の葉はすでに腐り始めており、火力は半分以下に落ちており、灰にしました。まだ腐っていない葉を、木に枝にぶら下げました(右)。腐りにくくする工夫のつもりです。

 

秋田の友から届いたきりたんぽです。天然のマイタケ(写真右の左)は半分ほど残し、翌朝炒めて賞味しています。山内産のコイモはきめが細かくてなんとも美味。今回も妻は「これを種芋にウチの畑でつくれないかな」とつぶやいていました。

 

伐採した松の駒切れです。これから割り木にして、カフェテラスの薪置き場に摘みあげる仕事が残っています。これまではこの松より太いのを自分で切り倒していましたが、伐採は無理だと自覚するようになりました。
もう一本の松は、頭を押さえてもらうだけ(左)に留めました。燃料として、何時の日にか生かす必要が生じたときに伐採します。その頃はモミジなど周りの木が大きくなっており、松を間伐すればモミジが大いに喜ぶことでしょう。

 

バケツは染料を機械に注ぎ込むときに用いるようで、15リットル入りのステンレス製です。私は錆びない利点を生かして畑仕事に用いようと考えていたのですが、妻は、味噌を仕込むときの大豆や、餅をつくときのもち米をふやかしたり、大量の山菜が取れたときのあくを抜いたりするときに用いたいといいます。