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アイトワ循環図

庭仕事と漆の勉強に没頭 07/02/25

 アイトワの冬休みが終わり、21日から再開しました。例年と違って暖冬で喫茶店の薪ストーブが燃えておらず、柑橘類に寒冷紗が被されないままの再開となりました。もう被せることはなさそうです。ウグイスが盛んに囀り、ツバキやマンサクだけでなく梅も咲いています。フクジュソウやオオイヌノフグリだけでなくヒメオドリコソウやハコベも咲き始めています。

 幸せなことが多々重なった一週間でした。好天が続いて庭仕事がとても捗りましたし、金曜日は雨になったのですが、2重の意味で好都合でした。友に連れてもらって漆の勉強に出かける日に当たっていましたし、雨が前日までに移植した苗木や花の苗を地にならしてくれたからです。その上に、妻宛にとても嬉しい電話もありました。先週の当週記を読んでくださった方から、手持ちの島津鉢を譲ってあげましょうか、と知らせてくださったのです。

 アイトワの再開前日の火曜日から木曜日まで、春のような好天が続きました。火曜日の朝は水鉢に薄氷が張り、霜が降っていましたが、妻と2人で再開準備の庭掃除に出た頃には氷は溶けていました。終日周回路の掃除をし、月曜日に切り取った竹の葉も燃して森の囲炉裏場まで綺麗にしました。その間に、移植すべき苗木や野草に目星をつけたのですが、3日続きの好天ですべて願い通に済ませることができました。少々老骨に鞭打ちすぎたようで、金曜日の朝は身体にきしみを感じながら目覚めましたが、車で遠出をする日に当たっていたわけです。

 火曜日は2台のブロアーを生かして、妻は檜林から、私はパーキングから周回路の掃除に手を付け、野小屋で合流することにしました。ポカポカ陽気のせいでしょうか、庭掃除をしているだけでなんだか幸せに感じました。ずいぶん落葉や枯れ枝がありましたから燃しながら掃除をしたのですが、そよ風の向きが変わるたびにたなびく煙の流れも変わり、煙が浮かび上がらせる木立の風景を変えただけでなく、漂ってくる煙の香りも変わりました。私はこうした煙は胸いっぱいに吸います。逆に、タバコのフィルターとかカラーの印刷物なども含め、人工物を燃した煙は極力吸わないようにしていますし、わが家では燃さないようにしています。

 夕刻に、土替えを済ませてあった六甲サクラソウなどの鉢植え植物をテラスにデビューさせ、仕上げは囲炉裏場の周りの掃除でした。月曜日に、ケンの小屋の周りの竹を5本も切り取っていましたから、最後はその竹の枝をさばいて燃しました。炎が高く昇り、「クヌギの枝は大丈夫(焼かない)かしら」と妻を心配させました。竹を切ったのは、その北側にある玉神木を日陰にしていたからです。竹を切って杭を用意し、光を求めて東に傾いていた玉神木を、西向きに矯正しながら竹杭を打ち付け、紐で結わえて固定したわけです。

 今週はずいぶん庭掃除が捗りました。裏庭の小径の舗装を仕上げ、土止め石を並べ替え、鉄平石で一輪車用の小橋もかけました。昨年恵那でもらったシロモジの苗木の定植、キャベツ、ワケギ、ラッキョ、葉ニンニクなどの畝やケンの小屋の周りの除草、ニラの株やペンペングサの苗の移植、ジャーマンアイリスの手入れや姫ショウブの移植などです。姫ショウブの移植をしている時に妻がカフェオレを運んでくれましたが、「これをくださったのもその(わが家の島津鉢を割ったりした時に、譲ってあげようと知らせてくださった)方よ」と、念を押していました。

 金曜日は、兵庫との県境の夜久野まで友に1日を割いて連れてもらい、漆の勉強だけでなく黒豆御強(おこわ)や豆腐など黒豆尽くしの昼食を楽しみました。週末は、チョッと気の張る来客の応対や、水鉢の移動(テラスにあった大きな鉢を落さないように玄関先に運びあげるなど)に神経を払いました。来週も好天なら、数ある水鉢の手入れをしようと考えています。


  枝垂れ梅がこんなに立派になりました。大垣の知人からもらった2鉢の1本を下したわけですが、樹形の見通しが立ちました。
 
石畳道が綺麗になりました。これまでは右側に竹のアーチで柵をしていましたが、取り去りました。ロッコウサクラソウ、チューリップ、水仙、ヒガンバナなどが生えそろい、踏み込んではいけない、と見学者に語りかけ始めたように思われるからです。
  西向きに矯正した玉神木。西側はクヌギ林だし、南側に竹が生えていましたから、東に傾こうとしたのでしょう。南の日をさえぎる竹を切り取ったうえで、竹の杭を打って結わえました。竹の杭が朽ちるまでに樹勢を固め、矯正し終えているであろう、との算段です。
   裏庭の小径を舗装しました。舗装はホームビルダーに手伝ってもらい、設計や踏み石を並べて据える作業などは私が担当しました。この完成した姿が読めなかった妻は、「草抜きぐらい、私がします」といって長年にわたって舗装させなかったのです。でも、完成した姿を見て「綺麗になった」と喜んでいました。
小径の際石を並べ直し、鉄平石で小橋を架け(る細工を機に、ヂスクグラインダーのダイヤモンド刃を買い求め)ました。一輪車で風呂の焚口まで薪を運ぶルートです。これまでは毎年、数度にわたり、延べ1日ほどかけて草抜きをしていた小径です。
定植させたシロモジ。シダレザクラが忽然と枯れた跡に植えました。恵那に、広い土地を手に入れて理想郷にしようと手をつけた家族を訪ねたことがありますが、その折に土産にもらって帰った苗木です。赤子を背負った奥さんがスコップで掘り取ったときの光景が目に浮かびます。


漆の切り株です。この中央部分を生かし、絹を草木染すると金色に染め上げるそうです。うまく育つと樹高10m以上に達し、ナツメのように張った根から芽を吹かせるし、伐採してもヒコバエを出すとのこと。若木や大きく育った木の樹皮をシカが好んで食べるとか。