ゴアさん

 

 不都合な真実(電力の大量消費)を暴露されましたが、私は肩を持ちました。それは、誰にでも至らぬところがあるものだ、という意味もありますが、もちろんそれだけではありません。ゴアさんが上司で私が部下なら、次のような電力料金や水道料金体系を勇んで提案し、採用してもらっていたことであろうと考えたからです。

 1人当たりのナショナルミニマムを定め、それ以下は奨励金を出す。たとえば、ナショナルミニマムを1人当たり月間XキロワットとかYトンとすれば、XやYに家族数を乗じた量以下の場合は奨励金を出す。つましく生きれば安心安全というだけでなく、仲の良い同居など共同生活を奨励するためです。逆に、ナショナルミニマム以上の場合は有償とし、幾つかの段階を設けて累進的に高くなる料金体系を設け、ある量を超えると懲罰的に高くする。

 さしずめゴアさんなら懲罰的な料金を徴収されることになるでしょう。だが、ゴアさんが上司なら私は勇んでこのアイデアを提案し、ゴアさんなら「よくぞよき案を考えてくれた」といって喜ぶに違いないと考えます。もし喜ばなかったら、直ちに私は袂を分かちます。