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アイトワ循環図

意志を貫く人たち 07/04/22

 思っていた通りに、豊かな感銘を受けることが多い1週間になりました。アイトワ塾の合宿で「モクモク手作りファーム」を訪ねたり、「京都で講義がある」といって時々ひょっこり現れる友を迎えたり、過日の九州旅行で知り合った人に訪ねてもらえたり、東京のら友の1人に奥様連れで立ち寄ってもらったり、長年待ちわびていた2人の研究者を迎えることができるなど、「この道では第一人者」と目される人たちと次々と語らう機会を得たのです。

 「モクモク手作りファーム」は、農産品をつくり、その産品や加工品を独自経営するレストランや売店で販売しているファームです。だから、弁当や飲料品のファームへの持ち込みは望まないところでしょう。ディズニーランドは農産品の生産に携わっていないのに持ち込み禁止です。だが、「モクモク手作りファーム」は、コンビニで買った弁当など既製の弁当やペットボトル入り飲料などは禁止ですが、手作り弁当と水筒入りの飲料の持参は認めていました。夜は、その優先順位の付け方などをテーマに11時まで歓談しました。

 万葉植物に詳しい友が、予告もなくひょっこり現れたのを幸いに、過日の九州旅行で知った日本原産と聞いた梅ノ木を話題に出しました。友は、持参の冊子にすらすらと「勅ならば いともかしこき鶯の 宿ととはば いかに答えむ」と、紀貫之が村上天皇に対して詠んだ歌を記し、「この宿が鶯宿梅だ」と教えてくれました。早朝の一杯のコーヒーがなんと美味しかったことか。

 熊本県田浦で「デコポン」などのミカン栽培をしているご夫婦と京大の農学部の先生を迎えました。九州を訪ねたときに、この先生が両者共通の知人であったことを知ったのですが、三者で会する機会を得たのです。ご夫妻はともに京都は修学旅行来とのことでしたが、アイトワの庭巡りのあとは、帰途に付く空港に直行でした。オーガニック農業の実践に徹した人たちですから、ダイダイとユスリハの前で交わしたたわいのない立ち話まで楽しく感じられました。

 読書では今、「21世紀の未来社会論」との副題がついた『生命進化の物語』に没頭しています。この翻訳者に、初めて奥さんを伴って訪ねてもらえました。『祖先の物語』『命の番人』なども送ってもらった人ですが、科学的な造詣が深くないと立ち向かえない翻訳の仕事を引き受けている人ですから、今回も幾つかの質問をし、謎を解いてもらうことが出来ました。

 週末は2人の実践的研究者を迎えました。これまでの人類が「願望の未来」を切り開いて来たとすれば「必然の未来」を、これまでの人類史がバイオレントや欲望の解放の歴史であったとすれば、人間の解放を目指した「ノンバイオレントの歴史を切り開こう」とでもいった提唱をする学者と、江戸時代の女性に焦点を当てた研究では右に出る人はいないと断言できる女性の2人です。このお2人を慕う3人の客を加え、7人で楽しい夕餉の時間を持つことが出来ました。

 この間に、1泊の出張をこなしたり急ぎの原稿を仕上げたりしただけでなく、岐阜から予告もなく「タビラコ」の苗を持参してもらえた人や、大垣で時々訪れた蕎麦屋さんのご夫婦に「京都に来た」といって立ち寄ってもらったり、2部上場から東証1部上場までつき合わせてもらった経営者に、昨年のNZ旅行でミルフォードトラックを一緒に踏破した大垣の友を伴って訪ねてもらったりしています。かつてわが家の庭で開いたガーデンパーティがきっかけで付き合い始めたとか。

 そんなわけで、来月に近づいた個展を控える妻を切りきり舞いさせましたが、きっとよき充電をさせてもらったに違いありません。私もあまり庭関係の時間をつくれない1週間でしたが、心が弾む時間をたっぷりと得ました。庭関連は、延べ1日を草抜きに、半日を山椒の雄花積みに、半日を京唐菜の苗を買い求めるために割いただけです。


庭ではハナスオウが満開です。
今回の「モクモク手作りファーム」では、「ミニぶた」の芸も楽しめました。この芸をさせている若い女性がミニぶたをいたわる姿をながめながら、彼女の「父親が(この光景を)見たら、きっと安堵するだろうね」と隣の友に話しかけました。
 
すらすらと鶯宿梅と命名されたいわれを書き記された冊子。

 

  ユスリハは、新しい葉が出ると、古い葉は新しい葉に席を譲って落葉し、消え去ります。だから「譲り葉」となったとか。ダイダイは、2年前の実(昨年の春に結んだ実から見れば先代)だけでなく3年前の実(先々代)も枝に残しています。だから「代々」となったとか。ユスリハとダイダイは共にお正月の祝い事に用います。
「タビラコは1年草だから種を落とさせないと消えてしまう」との助言つきでもらったタビラコを、水田に見立てた鉢に植えつけました。先週、別途「タビラコ?」との説明つきの苗を、妻の友からもらっていたのですが、それも間違いなくタビラコでした。これらが定住すれば、わが家の庭で春の7草がすべて揃うことになります。
花サンショ摘みは、2人の実践的研究者を迎えた日に、空き時間(お2人を慕う人が案内に立ち、散歩にでた時間など)を生かし、4回に分けて5本の摘み取り、その夜半にさっそく妻が佃煮にしました。
2人の実践的研究者からいただいた著書やDVD。