中国のとある尼寺の門前に次々と幼児が捨てられるようになりましたが、すべて女の子でした。一人っ子政策の犠牲でしょう。やがて長じ、7人の子が学齢期を迎え、尼寺を離れましたが、7人が揃って授業中に居眠りをすることが分かりました。尼寺の付添い人は、尼寺では昼寝を習慣付けていたからといいますが、学校関係者は摂取している栄養分に問題があると主張します。野菜を好み、他の子のように肉食をしないからです。卵から食べさせようとしますが、卵すら食べられない子がいるしまつです。涙を浮かべ、吐き気を催していました。
このドキュメンタリーを見て感動しながら思い出したことがあります。アメリカのパタゴニア社は女子従業員のための自社デイケアーを持っていますが、預かっている子どもには牛肉や豚肉を食べさせないように努めていました。それは、地球環境問題への配慮でした。子どもたちが大人になる頃には牛肉や豚肉をすきなように食べられない時代になっている、との読みがそうさせていました。肉好きの癖をつけてしまい、将来困らせないためです
もちろん従業員も、せめて昼食ぐらいは、と食堂では出さないことにしていました。家庭で手を出すときは、子どもに説明をして食べるようにしているようです。まるでタバコのように「へんなクセをつけてしまい、断てないのが恥ずかしい」とでも言った説明です。詳細は(宣伝のようになりますが)拙著『このままでいいんですか もう1つの生き方を求めて』(平凡社 2002)で報告しています。
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