許しがたく思っています

 

 都知事が、都にある工場に対して、炭酸ガス排出に厳しい網をかけようとしていることを知り、許しがたく思いました。それでは、東京以外に工場を移転し、地方で排出せよといったも同然ではないでしょうか。いわばタコが自分の足を食って喜んだり安堵したりするようなものです。一極集中している都がとるべき姿勢ではありません。

 せめて日本のことぐらいは考えて、都に本社がある企業に対して、次のような義務を果たさせるべきではないでしょうか。炭酸ガス排出に厳しい規制をかけ、義務を果たしていない企業には課徴金を付すのです。その義務は、連結決算関係にあるすべての企業の炭酸ガス排出量に関して、その削減計画書と削減結果報告書の提出を義務付け、都が定める基準に達しないところには課徴金を、提出しないところには懲罰的課徴金を付す。そしてその課徴金を工場がある地方に還元する。(大臣を努めたことがある人なら)それぐらいの度量がほしい、と思います。

 本来は、政府が炭素税ぐらいは設けるべきです。そして、炭素税を儲けていない国や地域からの輸入品には課徴金を付すべきです。それが購買力を誇る国のなすべきことです。やがては、買いたくても買えない事態になりかねず、輸入依存度の高さを恥じなければならなくなるでしょう。そうした事態を避けるためにも、購買力を誇っておれる間に、世界が足並みをそろえて持続性が望めるシステムに改めるように誘導すべきだ、と思います。

 資源小国は、しかも貿易立国は、今の間にそうした努力を積み重ねておかないと、やがては蔑まれかねません。それを軍事力で避けようとしたら、とても醜いことになりかねません。

 余談ですが、他にも今週は嬉しいニュースが多々ありました。女性の映画監督がカンヌで良い賞を得たことが大きく報道されたこと。対して、何年ぶりかでミスユニバースが日本から出ましたが、前回のように大きなニュースにならなかったこと。