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異彩と偉才に異才  07/10/21

 楽しい触れあいと心温まる食べ物に恵まれた1週間でした。「関西で、所用が重なった」といって訪ねてくれた友が、わが家を基点に2泊3日の行動をしたことから始まり、週末は次の本の編集者とカメラマンの再訪で終わります。その間に、座敷に閉じこもってラジオ番組の収録に応じ、初めて25分間も1人語りをしました。2泊3日の友は、薪風呂を焚きながら「本をじっくり読めた」といって喜んでいました。今週は他にも親しい間柄になりたく願う3人もの客を迎えています。食べ物では、初めてマコモタケを知りましたし、手作りパンを生ハムやスモークサーモンと各種チーズを組み合わせて味わう醍醐味を覚えました。毎年この時期になるとムラサキズキンを届けてもらいますし、また庭でシホウチクを収穫するのですが、共に堪能しました。

 異彩を放つ経営者を迎えました。その会社の機関誌が正月号でとりあげる対談記事の取材でしたが、3時間も話し込んでしまい、編集者を泣かせそうでする。知り合ってまだ間なしなのに、勝手に意気投合した人と喜んでいたのですが、相手にもそう思ってもらえていたのかもしれません。見送った折に、4回目の触れあいの機会をつくってもらっています。

 妻は、心惹かれている偉才の女性を招き、庭の山栗も生かした中華ちまきを作り、囲炉裏場の側で昼食をふるまい、私もその輪に加えてもらいました。この人は、外国ではアーチストと呼ばれていますが、いつも自己紹介で困るようです。永い歴史と伝統がある技術や素材を、これまで誰も考えたことがない生かし方をして新分野を切り拓き、国際的な評価を勝ち得た人です。この人が改革した技術と素材の生かし方は、広く後世に受け継がれるに違いありません。だから、おっつけ適切な呼称が与えられることでしょう。時代の変わり目には、既製の呼称ではとらえきれない人が次々と誕生するのが常ですが、まさにその1人だと思います。

 8月の雲南旅行で知り合った院生の案内で、異才の教授を迎えました。この院生は、雲南でさかんにこの教授を自慢していましたし、先日の府大での雲南旅行の反省会では、初めて出会った有機栽培農家が、その教授の下での院生だ、と自慢していました。この2人の評価通りの人でしたから、3時間にわたってさまざまな話題を楽しんだだけでなく、ある事業の評価委員になることを依頼され、快く引き受けました。これから幾度も出会えることになったわけです。

 楽しい知らせも重なりました。「これから仕事でNYに向かいます」とか「スケッチ旅行でマカオに出かけようとしています」などとの知らせでした。NYニ出かけた人は先週東京から訪ねてもらった人で、マカオの方は商社時代の部下でした。過日、この元部下は「ネットで、スローライフインタビューを読んだ」といって年賀状来の連絡をしてくれました。その後、この月曜日に彼を思い出し、返礼しています。東京地裁で上司の暴言を労災対象にする判決が出た日です。この元部下に、この事件以上の暴言を浴びせていたことを思い出したのです。社員の非効率は、回り回って消費者をはじめ社会に負担をかけることになりますから、なんとかして一人前に育てたかったのです。今は、そうした想いも許されない時代になったのでしょうか。

 こうした来客や交信が重なったこともあり、また植物の生長が止まる時期に入りましたから、庭仕事にあまり時間を割いていません。妻と2人でした樫の生け垣の剪定とか、1人でした花の後のヒメギボウシの手入れやサクラソウの鉢植えの追加、コウシンダイコンや人参などの畝の除草、そして幾鉢かのニホンサクラソウを路地におろす作業ぐらいです。今年はニホンサクラソウも異変です。2月に株を分け、春に新芽を吹かせますが、今年はすでに幾鉢もで芽をふかせており、かなり大きく育っています。これから編集者とカメラマンを迎えます。

マコモタケ。炒め物にして賞味しました。中国原産のイネ科の多年草で、出雲大社の大注連縄の材料になる植物ですが、黒糖菌が寄生して太った根元が食材になります。黒糖菌はその昔、お歯黒や眉墨の原料として生かされていたようです。
2種の手作りパンと、それを美味しくする2種のチーズ、生ハム、スモークサーモンをそえた贈り物に恵まれました。2泊3日の友にも味わってもらいました。
樫の生け垣の剪定(上左は剪定前、左は摘んだ枝を灰に)。年間4回は行う朝一番の作業です。植木ハサミで飛び出した枝を一本一本つみ取ります。散歩をする人たちに「ご苦労様です」とか「いつもきれいにして頂いてありがとうございます」とねぎらってもらいます。
囲炉裏場に用意したテーブル。ここで昼食をとり、木漏れ日と中華ちまきを楽しんでもらいました。右は調理中。これを庭で春に拾った竹の皮で包みます。

 

ホウレンソウが芽生えましたが、まばらです。そのわけは、コウロギのいたずらです。コウロギが住み着いた穴がたくさんあるところほど芽が出ていません。きっと種を「ごちそうさま」したのでしょう。
 
今年もムラサキヅキンに恵まれました。早稲の黒豆は干すと皮がはじけますから、枝豆として商品化された、と以前に触れたと思います。この事情を教えてくれた友が、週初めにわが家を基点に行動したのです。
今年はシホウチクを収穫しただけでなく、初めて皮むきまで担当しました。煮物など総菜にも生かしますし、佃煮にも生かせます。