さもありなん

 

 

 子どもの頃に父の故郷を訪ね、毎日のように大八車で一杯分のマツタケを出荷している光景を見ています。マツタケの他に、裸女群像のようならシメジや小型のマツタケのようなオバサンタケなどさまざまなキノコが取れました。マツタケ狩りの後のすき焼きといえば、目の前でつぶしたカシワとマツタケとネギだけを用いていました。そのころに覚えたシメジの味が忘れられません。近頃の店頭で売られているさまざまなシメジを試みましたが、味だけでなく、歯触りなどもお話になりません。

 同様の懐かしさをキュウリの浅漬けに感じていましたが、それはかなえられました。菜園で育てたスーヨー(四葉)キュウリを、よくなれた糠(ぬか)床で上手に漬けてもらってかなえられました。つまり農薬や除草剤などを使っていない路地(もちろんプランターでもよいでしょう)で、有機肥料だけを用いて栽培した旬の取り立て(地産地消)を、よくなれた(塩梅がよい)糠床で上手に(ほどよく塩もみしたうえで)漬けるとかなえられました。要はオーガニック野菜の魅力でしょう。

 天然と人工栽培の違いは、わが家のミツバで疑似体験しています。庭の随所でミツバを自生しており、それは完全な天然物とはいえませんが、そのおいしさは店頭で買うミツバとは比較になりません。どなたも鍋物などに用いるとむしゃくしゃと食べられます。

 このような記憶をたどりながら、さもありなんと納得しました。