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アイトワ循環図

ぶっつけ本番がかえって良かった  07/11/18

 東寺の近くの映画館まで『雲南の少女 ルオマの初恋』を見に行くことで週は開け、週末は講座を持っている大学の受講生と助手を迎え、庭で講義をすることで終わった一週間でした。

 その間に、過日収録したラジオの1人語りのテープやアイトワの様子に触れた知人の新聞コラムとか阿蘇の地図が届き、お向かいから渋柿を、定期的にお米を分けてもらっている農家からは新米の餅をもらいました。囲炉裏場の近くまで水道と電気を引く工事もしましたし、庭では周回路や囲炉裏場の掃除、ミョウガ畑の整理、2度の柿取り、最後のクリ拾い、畑では人参と下仁田ネギの苗床の除草、少し遅れましたがケシの種まき、温室ではゼラニウムの手入れもしています。主たる来客は知人のご夫人とウマがあう教師でした。また野暮用で大阪まで出掛けています。

 この映画を「先に見ておきたかった」と思いました。幾つかの謎に気付かされたからです。先に見ておれば、夏の雲南訪問時に謎解きをしていたことでしょう。たとえば、ハニ族(元陽の少数民族)は、夜はどのような衣装でやすむのか。棚田の狭い畦を日常的に歩いているのか、など。ラジオの1人語りには1300通の感想文が寄せられたようで、幾つかの質問もあったようです。どのような質問や感想を寄せる人たちが聴いてくださったのかとても興味をわかせています。

 日曜日の夜は居間と風呂焚き場を行き来しながら、渋柿の皮をむきました。今年最初の干し柿作りでした。月曜日の夜は、風呂を焚きながらラジオの1人語りのテープをおそるおそる聴いています。原稿も作らずにぶっつけ本番で望んだからです。案外それが、想うところを好き勝手に語ることができて、かえって良かったのかもしれません。そんなに聞きづらくはありませんでした。そこでテープレコーダーごと人形工房に持参し、妻にも聴いてもらいました。

 水道管と電線を地下埋設する工事は、ホームビルダーに手伝ってもらいました。水道は温室に引き入れている配管から約20m、電気は野小屋に引いている配線から約5m離れた位置に水屋を作るためです。囲炉裏場でパーティを開くたびに、いつも水屋があれば便利なのにと考えていたものです。ホームビルダーは、エンジン発電機のついた電動シャベルを持っており、電線と水道管の両方を1日でほぼ仕上げました。私が手掘りでしていたら2日で出来ていたかどうか分かりません。

 囲炉裏場の掃除では「負うた子に教えられ」たような気分にされました。妻が囲炉裏場で落ち葉掃除を始めた時のことです。その一帯は、クヌギやスモモの剪定で出た枝葉が積もったように散らかっていたうえに雨が降り、土がすっかり濡れていたのです。そのまま放っておいたのではいつまでたっても土が乾かない、と妻は見たのでしょう。私もすぐにそうと気付き、引き継いでいます。私が勤め人であった頃は、立場は逆でした。私がいかなる手を打つべきかを先に気付き、出勤前などに指示しておき、留守中に妻に作業を受けもってもらっていたものです。

 ウマが合う大学の教師は、今年も大勢の学生を引率したいとの要請でした。知人のご夫人の来訪は、喫茶店のウエートレスを「一度してみたかった」そうで、その下打ち合わせでした。柿取りは、火曜日の朝は妻と、土曜日の午後は喫茶店の開店来のお客さんと組んで、12段脚立を持ち出して行いました。落として傷を付けた実や虫に攻撃された跡が多い実は自家消費用に残し、あとは幾軒かに分けて送ったり持ち帰ってもらったりしています。姉からの礼の電話は私の留守中にあったようで、足は弱ったけれど孫の世話や犬の散歩を引き受けている、とのこと。

 新たなキノコを2種類見つけました。1種はとても美味しそうな香りでしたが、形が気になり、試食は控えました。ミョウガ畑の整理の折に、デシオの若木が悪質なコケの一種に寄生されていたことがわかり、治療しました。週末の庭での講義は楽しく無事に終えました。


阿蘇の地図。3月に友に連れられて訪れましたが、その折に「鳥瞰地図があればいいのに」と思いました。案内に立ってもらった友の幼友達が「やっと見つけました」との手紙を添えて送ってくれたものです。案内してもらった道順も添えられており、半年以上も前の臨場感を再体験することができました。
エンジェルストランペットの植え込みが見事に花をつけました。昨年も1株、鉢から地におろしましたが、それも黄色でした。今週は、今年になって2株目の白の花をつけらエンジェルストランペットを鉢から地におろしています。あと数年もすれば200も300もの花をつけることでしょう。
お向かいからいただいた大きな渋柿を干しました。その後、クボガキの中に混じっていた渋柿を追加しています。ぶら下げてみて「なんと不揃いなこと」と思いました。しかし、その後新聞で皮を機械でむいた大量生産の干し柿を見ており、不揃いの方をむしろ美しく感じています。

 
最後の栗拾いをしました。思うところがあって、今年はイガをすべて拾い集めました。最後のクリでクリご飯を2度も作ってもらいましたが、妻は皮むきに1時間以上かけていました。この小さくて堅いヤマグリの皮むきは、私にはできそうにありません。甘いヤマグリのクリご飯は格別です。
新米の餅は、スリランカの旅で同室の仲になった農家からもらったものです。新米に切り替わった案内が入っていた便の次の荷に入っていました。さっそく庭の柚をとり、澄まし雑煮です。昨年から実を結び始めた木が今年は14個もつけました。菜も畑の大松菜です。大松菜とは、わが家の畑では小松菜の種から大きく育ちますから、「大松菜」と呼ぶことにしています。1本の葉で間に合ったようです。
デシオ(当初から赤い葉をふかす楓)の治療。左は病気を発見した状態。右は治療済み。右手前はこそぎ取った幹部のコケの一種。コケをめくり取った上で、強力なブラシでコケを丁寧に取り除き、石灰硫黄合剤で消毒すると治療完了です。これを怠ると木を枯らしてしまいます。
 
迎えた学生。メモを取る学生が幾人もいましたから、いい気になって2時間以上も費やしてしまいました。よい人生のデザインをしてもらいたいと強く願ったものですから、つい時間を忘れてしまっていました。