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湯豆腐の会  08/01/27

 この1週間は1年で1番厳しい時期ではなかったでしょうか。6時前後のわが家の居間は、湿度は50%、温度は7度Cを示す日が続きました。でも、秘訣のおかげで、小さなガスストーブを点火し、衣服を身につけながらコンピューターを立ち上げ、室内温度が10度Cぐらいになるころには身体がぽかぽかし始めました。キーボードをたたき始めてから小1時間ほどした7時頃に妻が起き出します。その時でもまだ室内は冬の設定温度・16度をはるかに下回っています。

 秘訣とは、顔を洗うときに、首や腕とか脇の下や胸も洗うことです。これは、二尊院の門番小屋で戦中戦後の一時期を過ごした表具屋に学んだことです。冬も水で行水をしていましたが、「夏から始めて毎日続けたら冷たくないよ」と教えられました。ある時期から採用です。今では目覚めると裏庭に出て放尿し、洗面所で下穿き1枚になり、年中実行しています。

 キーボードを駆使する目的は日によって変わります。当週記であったり講義で用いるパワーポイントの修正であったりするわけですが、このところは次の本の原稿であることが多くなっています。ほぼできあがっている原稿を、編集者の助言や励ましをえて1から書き直しです。私にとっては最も難しい作業ですが、この際なんとかマスターしたく思っています。もしうまくクリアーしたら、それが何であったのかを振り返ってみたく思っています。

 この1週間は恒例の湯豆腐の会から始まりましたが、今回は少し趣向を変えました。土曜日は京都迎賓館の庭を副頭領として創った人の話に耳を傾けたり最近CDを出した仲間の一人に美声を披露したくなる企てをして「春よこい」を歌ってもらったりしました。日曜日の昼食は1つの食材で100通りの料理を創ってみせると言ってのけるシェフに舌や目を奪われました。このシェフは、昨年の秋にアイトワ塾生の1人に紹介されましたが、湯豆腐の会のメンバーにも気に入ってもらいたくて訪れました。木屋町にあるフランス系レストラン・ブルマー55です。

 そんなわけで恒例の銭湯はパス。おきまりの割烹での夕餉は、まず夜のアイトワに招きたく思っていた仲間の急逝を悼ぶ黙祷から始めました。散策は実相院のみでした。真っ黒に磨かれた床が紅葉を見事に映し出す寺ですが、なんとも冬は冷たくて、足が痺れました。

 楽しい来客と嬉しい贈り物にも恵まれた1週間でもありました。来客は、壬生寺の障壁画を仕上げた友禅染作家夫妻とその仲間、定年前に京大を退官した実践派農学者夫妻、そしてアイトワ塾生でした。友禅染作家とその仲間とは傑作の完納を祝って夕食に出かけました。実践派学者は農業学校の開校を準備中ですが、開校したらスピーチに馳せ参じさせてもらえそうです。アイトワ塾生にはニュージーランド訪問記を報告しました。嬉しい贈り物は岡山の友人から届いた生食用のカキでした。1人で味わうのがもったいなくて、幾軒かにお裾分けしてよかったと思いました。ニューオーリンズでほおばったカキのうまさを思い出しました。

 庭仕事ははかどりませんでした。寒風の下で野菜を収穫し、小さな畝を用意してわずか4本のエンドウ豆の苗を祈る思い出ポットから下ろした他は、温室での作業程度です。水やりだけでなく、さまざまな鉢に自然生えしたネモフィラとサクラソウの苗をポットに移し、ハコベなどの野草を除草しました。温室で悲しいことが生じていました。初めて見る鳥が死んでいたのです。私が収穫した野菜は、ホースラディッシュ、コイモ、ヤーコンの掘り出しと、葉をかいてとるチマサンチェと、間引くようにして取るルッコラとホウレンソウです。夜は3晩に分けて沐浴剤とヤーコンの葉を押し切りで刻みました。今回は大幅に刻む時期が遅れてしまい、難儀しました。乾燥させすぎると軸は固くなって刻みにくく、葉は割れて粉になってしまうのです。

 

梅小路公園の「朱雀の庭」の一角にある「緑の館」で造園のありようやそのココロを伺いました。井上剛宏さんは「要(よう)の美」にも精通した人で、アイトワの庭の理解者でもあると私は思っています。
「朱雀の庭」には見事な舞台があります。そこで仲間の一人に「春よこい」を歌ってもらいました。この舞台で歌う気になってもらえなかったら「困ったなあ」と思うことがあったのです。そうなることを願って文字にしてしまっていたのです。その『嵯峨』二月号は26日の土曜日に手元に届いています。
初めておとずれた岩倉にある実相院。門跡寺院の1つです。そばにはお稲荷さんを始め主だった神社のミニアチュアがそろっている面白い神社もありました。遠方まで出かける手間が省けそうです。こんな家に住みたいなあと思う民家もありました。
 
25日金曜日の朝は雪景色でした。この程度の雪なら、最寄りの駅まで妻は車で送り迎えをしてくれます。
カ 何とも美味しいカキでした。これを賞味できない妻を哀れんでいます。生牡蠣にあたりよい体質だと思いこんでいるのです。展示会を控えながら1週間以上の空白を作らせてしまい、半日とて臥せるわけにはいかない身にさせた私としては無理強いは出来ません。
夜は「押し切り」を用いる作業に3晩を費やしました。押し切りを買い求めたくなった友人に、押し切りの何たるかを知ってもらうために写真を撮ってメールで送りましたが、このたびはそれがきっかけで押し切りの作業に手を着けたようなところがあります。
初めて見た鳥です。それが死に姿であったのが悔しくてなりません。体重180g、身長(嘴から尾羽の先まで)28cm、翼を広げた寸法45cm。温室に激突して死んだ鳥はこれが初めてです。もって正確に言えば、そうと知り得たのは初めてです。激突して死にながら私たちが発見する前にキツネやイタチにさらわれたことがあったかもしれません。