あわてて復元に努め

 

 庭という限られた空間であれ、草を絶やそうとすることは簡単な相談ではありません。自生するまでになっていると土の中に相当の種をまき散らしているからです。野草は、落とした種を翌年に一斉に芽吹かせるようなことはしません。幾年にも分けて「順番に芽吹こう」と種同士が約束しあっているのではないか、と思いたくなるほどです。

 とりわけ、その空間に除草剤を使わない畑があると、絶やすのは不可能に近い相談です。種を土の中に混ぜ込んで耕していますから、掘り返したときに芽吹かせるのです。掘り返されて、芽吹くに適した位置に現れるまで、土の中で、何年でも種の状態でそのときが巡ってくるまで待っているのではないでしょうか。

 もちろん、周辺方イタチが種を毛に付けて持ちこんだり、小鳥が糞といっしょに種まきしたりすることもあるでしょう。これまでに、ナズナの他にネコジャラシ、ヒッツキムシなどを絶やそうとしてきました。絶やしたと思っていたネコジャラシが、3年ぶりとか4年ぶりに芽生えます。

 そのつど抜き去っています。ヒッツキムシに至っては、なんとか絶やそうと思いながら、これは不可能だと思わせられています。小鳥の毛について入ってくる可能性がとても高い。

 そうした油断が、ナズナを絶やしてしまったのです。まさか忽然と消え去ってしまうとは思わなかったのです。その内に芽吹くに違いないと思っていたのに、2年待っても3年待っても芽吹きません。毎年正月7日の朝を迎えると、目を皿のようにして探しましたが見つかりません。

 もっと待てば出たのかもしれませんが待ちきれず、2カ所から種や苗を持ち込みました。そして3年ほどは移植をしたり、はびこって欲しいところに種を運んだりしてきました。自生化したと見た昨年から、畑の畝に出た分を始め、じゃまになるところに出たモノはことごとく抜き去るまでになっています。

 もう1〜2年は、生えていて欲しい場所にあるナズナは、1本残らず抜き去る(さもないと種を畑などに迷い込ませますが)ようなことはしません。ナズナは大根と同様に根菜ですから、ネコジャラシやヒッツキムシよりもしぶとさの点では劣っているのかもしれません。

 近年はスズメノカタビラ@やそのたぐいの草ABCなどを目の敵にしています。でも死ぬまでかかっても絶やすことは出来ない、と思っています。羊やヤギなどがとても好む食べ物です。


 

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