工夫と苦労が伴う作業

 

 アイトワの庭には山菜や春の七草がたくさんあります。フキ、カンゾウ、ゼンマイ、ワラビ、ウド、セリ、ミョウガは自生です。フキ、カンゾウ、ウドは至る所で、ゼンマイとセリは各1カ所で、ワラビとミョウガは2カ所で自生しています。セリは他に、秋田から送ってもらったセリがもう1カ所で活着しています。コゴミは10年ほど前に買い求めた5株から始まり、今では2カ所で自生化し、他の3カ所で活着しています。ツワブキは、もらった苗を10年以上前に定着させたのですが、今では定着場所だけでなく、好きな場所を求めて自生化し、勝手に広がっています。

 タラの芽も幾カ所かで自生しているタラの木から取りますが、別途トゲなしタラの木の苗木を購入し、活着させています。

 春の七草は、ホトケノザを除く6草が揃っています。昨年、ホトケノザを2人からもらったのですが、どうやら定着させられなかったようです。ナズナをかつて根絶やしにしたことがあります。蔓延しすぎて困り、数を制御しようとして抜いていると、忽然と消え去ってしまいました。あわてて2カ所から苗を手に入れ、4年目にしてやっと復元でき、今年からじゃまなところに生えるナズナは抜き去ることにしました。この2草を除く5草は自生種です。

 自慢の野菜は三つ葉です。種を買い求めて栽培したのが始まりですが、今では随所で自生化しており、栽培種とはことなる香りの良さを満喫しています。

 人間が関与することで、自然が為すままの生物空間よりも、動物を扶養する能力を高めた生物空間を創出出来そうに思っています。その扶養能力の恩恵の範囲内に人間を留めないと、いけないように思います。

 徳山村に住んでいた人たちは、その知恵を備えていた人たちであろうと観ています。その中心をなした人が、子をはらみ、産み、育てる役割を担っていた主婦であろうと考えています。その主婦が、夫の給与所得に頼るのではなく、「塩さえあれば家族を腹一杯に出来る」と語ったわけです。そのころの夫は、山で狩りをして妻子に動物性蛋白質を得させたのでしょう。

 写真は、旧玄関前の今の姿です。ここは、ミヤコワスレを定着させている所です。自生化したサクラソウが満開です。自生種のケマンソウと、ここにまで広がりつつあるムラサキハナナが咲き始めています。ムラサキハナナは30年以上も前から庭で育て始めましたが、まだ自生化していません。種を取り、まいていますから、栽培している部分があります。栽培部分をやめたら、何年かで絶えかねないように見ています。ケマンソウは制御するために毎年抜いていますが、抜きもらしたものが咲いているわけです。やがてミヤコワスレが咲きます。
 

自生化したサクラソウが満開です