大覚寺は、嵯峨天皇の離宮跡ですから、嵯峨御所と呼ばれます。南北朝の講話の間@もあります。その間を仕切る障子の腰も琳派の絵Aで知られます。国宝の襖絵の宝庫でもある大本山です。
わが国の華道は、嵯峨天皇に始まっており、嵯峨天皇を流粗とする嵯峨御流は、毎年嵯峨天皇の命日に華道祭を催します。今年は、源氏物語千年紀ですが、光源氏のモデルとされる源融(とおる)は嵯峨天皇の子息です。そんなわけで、源氏物語に出てくる草花を用い、各帖をイメージした生け花Bが今年は披露されたのです。
この背景の襖絵がありますから牡丹の間Cと呼ぶ人もいます。この国宝の襖絵の前に寝ころんで昼寝をしたことがあります。幼友達を再会し、案内した45年前のことです。この襖絵の裏側には、紅梅Dと白梅の絵があります。ルーブルからミロのビーナスを貸しだいてもらった折に、返礼に日本が貸し出した国宝です。
火取(ひとり)Eを始めて知りました。香遊びをするときに用いた道具で、焼き物です。
車争いの場面をイメージする生け花Fもありました。御所車Gなど当時をしのばせる道具Hもふんだんに飾られていました。
この華道祭を、中心となって繰り広げた華道総司所理事の庄司信洲さんに案内してもらえたのです。冗談の名手でもある人ですが、妻は見事に受け流します。
源氏物語には114種の草花が登場するそうですが、そのうち約30種が取り上げられていました。ちなみに、枕草子では112種が、万葉集には160種の草花が取り上げられているとか。
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