都市の成り立ち

 

 中世ヨーロッパの都市は、『市民権』制度をつくりあげた『市民』の自治により運営されていた。都市の主役は都市市民であり、都市は都市市民の活動の場であった。これに対して、わが国では、かつて都市住民が主体者となった都市が存在したことはなく、常に権力支配によって統治されてきた。

 ヨーロッパの国々では、爆撃で破壊された中世につくられた都市を、克明に再現する傾向にありますが、その一因はここにあったのかもしれません。もしそうだとすると、観光の世紀に踏み出したと言われる今、大きな問題を抱えていそうだと思います。

 美星町を訪ねた折に、何とも言えない落ち着きを感じたのですが、自治意識の高い地域であり、その名残が随所に残っていたからかもしれません。そのいわれと言ってよさそうなモノを、ことごとく見落としていたようです。再訪して、歩き回ってみたい。