イノシシを脅すワナです。出入り口に仕掛けたロープの輪(左)と、イノシシスロープに仕掛けた針金の輪。ロープの輪は、そばの樹木に結わえています。針金の輪は、10kgほどある自然石に結わえてあり、移動式です。
これまでに、この仕掛けに、3度ばかりイノシシが引っかかっています。ロープの輪にかかったイノシシは、2頭とも見事にちぎって逃げました。ともに後で知ったのですが、何分かは引きちぎるのに時間を要したことでしょう。暴れた跡がありました。
針金の輪の方に掛かったときは、立ち会っています。夜半に犬の鳴き声でイノシシの進入に気付き、そっと忍び寄ったのです。そのときは藪の中に置いていました。私の出現にあわてたイノシシが脱兎のごとく逃走し、その途中でこの輪に引っかかりました。
石ごと引っ張って走る音がしたかと思うと、すぐに竹が割れる音がしました。翌朝確かめると、太い枯れ竹の根元が砕けていました。その衝撃で、輪が外れたようで、イノシシだけが逃げ去りました。イノシシのどこかに輪が絡まったのかは分かりません。この3度の事件の後、いずれもイノシシが、しばらくの間は遠ざかっています。
思えばイノシシは、人間とは枝分かれした果てとはいえ、ナメクジウオよりズットズット人間に近いわけですから、あまり殺生なことはしたくなくなります。
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