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アイトワ循環図
希望=ハードル×自己超克  08/06/29

 週の初まりは2晩続けて楽しい晩餐会に参加しました。現在、スローフード大学の学生が来日中です。イタリヤのスローフード協会は、大学院もある大学を持っており、その学生です。2晩とも京都での受け入れ先である同志社大学の催しの一環で、妻の同行を求められました。1晩目は会費制で、同大の町屋のキャンパス・湖古館でありましたが、妻にある要請があったのです。2晩目は鷹ケ峰の奥にある小高い山頂のレストランが会場で、そこで予期せぬ感動が待ち受けていました。

 1晩目は、料理の持ち寄り制の一面もあり、妻には手作り料理の持参を求められたのです。妻は朝から準備に取りかかり、タマネギ、カキチシャ、ツルムラサキ、タケノコ、シイタケなど庭の作物を用いて、中華ちまき、白和え、サラダ、巨大なズッキーニを用いた炒め物を用意しました。中華ちまきは、この夏の竹の皮でくるみました。2晩目は有名なイタリア料理店、リストランテ・ストラーダの山荘、ストラーダフクムラで催され、そこで予期せぬ感動が待っていたのです。

 この1月下旬、同志社大学はスローフード協会と組んで、「京都イタリア食農協会」の設立準備委員会を持ちましたが、その席で福村ご夫妻と出合っています。なんと、そのお嬢さんは、大工の道に居場所を見つけていました。山荘の一角にあったお宅も見せてもらったのですが、お嬢さんが両親のために建てた家であったと知ったのです。自分の居場所を、困難や難関を乗り越えて自ら切り開いた人に、私はこよなく惹かれる傾向にあります。希望とは、乗り越えなければならないハードルと自己超克を掛け合わせた先に見いだす可能性、と私は考えています。

 折しも、先週の木曜日の夜から、NHKーTVで『乙女のパンチ』というドラマが始まっています。かつて勤めていた短大の卒業生・ライカも番組編成に関わっていました。その内容から見て、彼女をモデルにしたようです。かつて私は、彼女を短大に招き、後輩の前で希望とか自分の居場所の見つけ方などを語ってもらおうとしました。力不足でそれを果たせず、残念な想いをしています。それだけに、この番組に吸い込まれました。今週分も、なんとかビデオで見ました。

 この1週間は梅雨の中休みでした。しかもアイトワの夏休みですし、腰の痛みもほとんどなくなりながら、妻と一緒に庭仕事ができたのは火曜日の夕刻までの7時間と、木曜日の午前中に限られました。アイトワ塾や講義の他に、泊まりがけで大垣に出かけたからです。大垣市は、合併に伴って「緑の基本計画」を改定する時期にさしかかっています。秀吉の1夜城で有名な墨俣地域と、広大な里地里山を持つ地域と合併したからです。そこに私は大きな可能性を見出しています。私は基本的には「平成の大合併は時代錯誤」と見ています。ポスト工業社会は、むしろ逆に、小さな自治体に分割する必要性があるはずです。しかし私は、新しい大垣市の場合は、3つの地域の異なる特色をうまく掛け合わせてうまく生かせば、大きな夢を描けそうだ、と見ました。大垣ではいつものように、楽しい人と次々と歓談できました。

 今週の庭仕事は、そんなわけで、ゴーヤの棚をもうけ、2度目のインゲンマメの支柱を立て、イノシシの出入り口を塞いだ程度で終わりました。木曜日の朝に、イノシシが庭に入って大暴れしたのですが、出入り口を石で防ぐだけで終わりました。妻は、私の不在中も、庭掃除に精を出したようです。7月中旬に10日間も庭仕事ができなくなるからでしょう。スイスから1人の女子大生を迎え、ホームステイさせながら個人レッスンに応じるボランティアがあるためです。

 大垣では、ターシャ・チューダーの他界を知りました。お孫さんに持ち帰ってもらった妻の人形集に目を通していただけたのでしょうか。週末は、久しぶりで常寂光寺の前ご住職に立ち寄っていただき、お茶の時間をご一緒し、しばし思うところを語り合いました。
 
町屋のキャンパスでバイキング方式の晩餐会。40人からの人が集い、とても賑やかでした。持ち寄りの料理が随所に並べられ、花を添えていました。中華ちまきやシチュー、お酒などの飲み物など、幾つかのテーブルが用意されていました。

リストランテ・ストラーダの山荘とイタリヤ製のオーブンで肉を焼く福村さん。ストラーダフクムラは、金閣寺から北西に進んだところにある光悦寺から、さらに奥まったところにあります。鷹ケ峰は、江戸時代の初期には本阿弥光悦が、光悦村を開いたことでも知られます。とても見晴らしがよいところで、鶏や烏骨鶏の小屋もありましたが、放し飼いでした。オーナーの福村さんご夫妻と面識があったおかげで、ご自宅にも入れて頂けたのです。

隣り合わせにご自宅があり、玄関を入ったところの広間の様子です。娘が大工で、建ててくれました、と紹介されたときは驚きました。そのうちに出会いの機会が巡ってきそうに思います。

改築なった嵯峨嵐山駅が姿を現しました。2晩目の帰路は途中まで知友のタクシーに便乗させてもらい、あとはJRで帰りました。この駅は時代錯誤だと思います。文化財のような木造の駅をつぶし、ありふれた駅舎にしてしまいました。出口を2箇所にするのが主目的なら、もっとやりようがあったはずです。

大垣では、環境市民会議の仲間に、素晴らしいそば屋さんでご馳走になりました。旧家のご夫婦が、先祖伝来の食器も生かして、のんどりと営業されていました。

ゴーヤの棚。昨年と同じ作りです。ヘチマも混栽していますから、棚の広さを2倍にしようかな、と思案中です。2倍にすれば、隣の畝のネギなどを日陰にしますから、どうしたものかと思案しているわけです。

初めて目にする巨大な蚊がいました。金曜日の夜に捕まえました。右の小さいのが一般的な蚊の、中ぐらいのサイズで、わが家で一番よく見かけるタイプです。これまでに5種類の蚊を見つけていますが、この巨大な蚊が新たに加わるのでしょうか。