湿り気の多い山際の一帯の土中に、たくさん穴が空いた暗渠を埋め込んで水分を抜きとり、下手に設けた水槽に流れ込ませて自然水を溜める設備があります。木造住宅を湿気から護りながら水を得る工夫です。その水槽はコンクリート製の井戸枠を2段に積んだものですから井戸枠水槽(写真)と読んでいます。
この井戸枠水槽の底はコンクリートで固めていませんが、常は満々と水をたたえて溢れています。10数年来、ときどき水位が下がることはありましたが、枯れたことは一度もありません。最も深刻な状態になった年は1994年で、真夏に40cm程下がりました。このたびは梅雨明け早々に水位が下がり始めたわけです。どうなることやら。
「これは大変だ」と思って上手に移動し、暗渠を埋め込んだあたりにある泉を調べますと、水位が随分下がっていました。泉と言っても、ジワジワとにじみ出す自然水を溜める小さな池のようなものに過ぎませんが、井戸枠水槽と同様に、どんなに寒い冬でも凍ったことがありません。この泉は、1994年に枯れたことがあり、棲まわせていた金魚を1度死なせています。このたびはそのような目に遭わせたくはありませんから、観察を怠らないようにします。
井戸枠水槽の水は、居宅の周りに配した幾つもの水鉢にほじゅうするためにも生かしています。これらの水鉢で睡蓮、蓮、クワイなどを育てています。これは暑さ対策の一環です。今年はこの水が減る速さが早いこと、毎日水の補充におわれています。この水鉢に住み着くカエルが次々と現れたわけです。蛇に襲われる危険性が少ない、と見たのかもしれません。
大型の雨台風でもない限り、真夏になればこの一帯の大地はカラカラになりそうです。
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