江戸時代の文献

 

 江戸時代の農学者の1人、建部清庵は『備荒草木図』なる1書を著しており、その中でカラムシを食用の1に揚げていまいました。建部清庵は、岩手県の医者で、食べられる野草と、有毒の野草を図入りで解説しています。

 なお、江戸時代の3大農学者は、『農業全書』巻1〜5を著した九州の宮崎安貞。『広益国産考』など多くの実地的な書を著した九州の農業技術者、大蔵永常。そして『百姓伝記』巻1〜7を著し、江戸末期に綾部に来たとの記録がある佐藤信淵だろう、 と友は教えてくれました。

 友が持参した農書をパラパラとめくってみると、『百姓伝記』では、「肥料」、「下肥の重要性」、「便所の作り方」などの見出しがありました。『広益国産考』では、「特産品を作るための心ばまえ」などの見出しが印象的でした。『農業全書』では、「土地を見る法」との見出しが目に留まり、なぜか恵那に住み着いた一家で、かつて土地の改造について助言した若者夫婦を思い出しました。元気にしているかなあ。この数年を頑張り通せば、その向こうには素晴らしい未来が待っているように見ています。

 それにしても、江戸時代の農民が、こうした農書を読んでいたことは驚きです。寺子屋教育の成果でしょう。