実は、半地下構造の人形工房を作った何年後かに、居宅を改造したのですが、そのときに大決断を迫られる事が生じました。
それまでの居宅を完全に取り潰し、新たに造り直したほうが、同じ広さの家を600万円も安く作れることがわかったのです。当時は建築廃材に関するリサイクル法が発効しておらず、捨て放題であった関係もあります。
その600万円を投入すれば、半地下構造の一室ぐらい容易に造れました。それは耐震構造上でも優れており、比較にならないほど安全な居宅にする案でした。しかし、よくよく考えたうえで、今から45年も前に建てた安普請の家を増改築する方を、高くつくのに選びました。
問題は当時、ここまで酷暑になることを、つまり日照りと豪雨の繰り返しになることを想定していなかったことです。また阪神大震災が生じる前のことでした。
その後、1994年の酷暑を体験し、再び今年の酷暑に悩まされ、さらには各地で地震が頻発するようになり、居宅にも半地下構造の一室を設けておけばよかったかな、との迷いが頭をよぎったわけです。でも、そうしなくってよかった、と思い直しています。
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